867.2009年9月27日(日) 鳩山外交に成果あり

 昨夜鳩山由紀夫首相が帰国された。最近の日本の首相外遊でその大きな存在感を世界に示したのは、今回の鳩山訪米が断然際立っていたと思う。ほとんどの国民も今度の訪米の成果を喜んでいる筈である。

 実績は大きくいって2つあると思う。その第1は、2020年までに1990年対比25%減の排出ガス削減を世界に向かって宣言したことである。この数値目標は、目標を示せなかったアメリカや中国をもたじろがせたのではないか。第2は、国連総会会議場で世界へ向かって核不拡散、核廃絶へ向かって進もうと強く呼びかけたことである。いずれも実現出来るかどうか、課題は多いが、それでも内に秘めているだけではなく、はっきり世界へ向かって意思表示することで、自分にも責任感と義務感を持たせて、空気をその方向へ向けて努力することは最も大切なことである。

 これで世界の日本、また鳩山首相に対する見方が大きく変わり、今後は一層注目されるようになるだろう。国民にとっても、何となく力強い気持ちになる。ともするとこれまでは、日本の首脳はおざなりのスピーチしかしないで、お飾りという空気だった。残念ながら説得力はまるでなかった。なまじ金持ちであることから、その金庫のおかげであまり外国から厳しい批判を受けることはなかったが、心ある外国人からは、主体性がなく自分の意見を述べないのが典型的な日本人と見られていただけに、各国首脳から賞賛され高い評価を受けたことは、これまでの「黙して語らず」からの脱却であり、大人の行動と言ってもいい。これからが鳩山外交の正念場になると思うので、今回と同じペースで鳩山流の存在感を示し続けて欲しい。

 鳩山首相が外交で活躍している間に、国内では新閣僚が所管事業について積極的に行動している。その最たるものは、国土交通省の前原大臣である。一昨日は中止を決めた八ツ場ダム現場を訪れ、地元関係者に中止の方針を伝えた。昨日はすでに熊本県が建設中止を決めていた川辺川ダム現場を訪れた。今後ダムの建設について、ひとつの基準と方向性が示される試金石となるので、各ダム現場も注視している。それにしても、ダム建設中止問題は、進むも地獄、退くも地獄の典型的なパターンである。八ツ場ダムに至ってはほぼ建設資金の7割を投資してしまったので、引っ込みがつかない。仮に建設を止めても今後諸々かかる経費が、引き続き建設続行の場合に使われる費用を上回るという馬鹿げた話だそうだ。政権が交代したからとの理由だけで、地元住民を悩ませ、巨額の税金を注ぎ込んで無駄にして、この責任を政治家や国交省はどう取るというのか。

 この財政難の時代に無駄に税金が使われるのだけは、もう願い下げにして欲しい。

2009年9月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com