869.2009年9月29日(火) 官僚の天下り禁止が動き出した。

 新内閣のスピード感のある仕事ぶりは、極めてすっきりして爽快感がある。ただ、一気に旧習を変えたりするとひずみが出たり、反感を買ったりして逆効果になることもある。これまで散々役人のやりたい放題に頭にきていた国民にとっては、とりあえず痛快事が多い。

 その中で官僚の天下り早期退職禁止は、マニフェストに盛り込まれており、首相方針として早速具体化する考えだ。独立行政法人理事長への天下りは認めないことを決めたようだ。

 さて、昨日の日経朝刊に元鳥取県知事の片山善博・慶大教授がインタビューに応えていた。それによると、官僚組織の硬直化の元凶は事務次官ポストだそうだ。元自治省役人だった人だけに、役所の内情に詳しい。こうも言っている。「今までの大臣は省庁のトップではなかった。事務次官が実質的な責任を取っていて、OBになっても影響力を行使している。大臣が責任を取り、幹部職員の人事もやるようになれば、官僚組織の頂点である事務次官はいらない」そうである。事務次官だけでなく、審議官なんてのも要らないのではないか。一般の公務員についても「国家公務員はいまだに成績至上主義です。今の職員は社会主義や弱い立場の人への思いやりが欠けている。志や正義感、気迫などにあふれた若い人をもっと採用すべきである」と的を射た言い方をしている。そして、この片山教授が、「予算編成のあり方検討会」の委員として深く関わるということだから、これからは役人の傲慢な振る舞いは許されないのではないか。大いに結構である。

 昨日の夜日本テレビのニュース番組「ZERO」で「核疑惑のイラン大統領を直撃・・・」と前宣伝され、実際村尾信尚キャスターが、とかく国際社会を惑わせるアフマディネジャド大統領にインタビューした。どんなインタビューになるのか興味津々だったが、質問はたったのひとつしか許されないうえに、もっと驚いたのは取材現場だった。村尾氏とカメラマンが一室に入ってそこでソファに座って対談かと思っていたら、何と2人の入った部屋にはテーブルやソファなんかなく、立ったままで、更に驚いたのは、その部屋の入口に大きなテーブルが持ち込まれ、バリケードで押し込められた形になった。そこへ大統領が通訳とともに、大勢のSPを連れてバリケードの向こう側にやってきて、たったひとつ核開発について質問をするという、前代未聞のインタビューになった。たったひとつの質問だけでは踏み込んだ取材とはならず、看板倒れのインタビューとなった。

 まったくこのイランの大統領には世界中が振り回されている。

2009年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com