イラクではバグダッドで連続爆弾によるテロ攻撃により147名が亡くなった。アフガニスタンも一向に治安が改善されない。
ところで振り返ってわが国はどうか。
急に陽気が冷え込んできた。昨晩京都から帰ってきた時も外は寒かった。ところが、南方洋上には台風20 号が発生しているらしい。10 月下旬の台風というのも珍しい。
今日やっと臨時国会が始まった。鳩山首相が初めて所信表明演説を行った。これまでの首相の最初の所信表明演説としては、過去10年で最長の52 分も費やした。最近では安倍首相の34分が最も長かった。中身はどうだろうか。相変わらず政治家の言葉である抽象的な表現が多い。しかし、目標を大きく全面に出して分かり易くしたのは良い方だ。
所信表明で解決策を提示するのはいい。だが、具体的にどうするかとのプランや計画性がまったく示されない。目先の問題では、マニフェスト上の公約テンコ盛りで来年度の概算要求が大きく膨らんで、解決策は数字を削るということしかアイディアが浮かんで来ない。優先順位を決めて必要なら取り入れ、不要不急なら削るという選択がなぜ出来ないのか。
更に問題化しそうなのは、沖縄の米軍基地移設問題と、基地問題とインド洋上の海自艦の補給中止を絡ませた対米関係だろう。アメリカ政府では大分イライラしているらしい。どうして日本政府は大事な外交問題に早く方針を示せないのだろうか。首相の都合がつかないなら、副総理や防衛相でも、どんどんアメリカと下交渉を進めたら良いのではないかと考える。そのための副総理であり、防衛問題担当大臣ではないか。どうしてそういうプロセスを進められないのだろうか。これでは予定が遅れるばかりか、相手国から不信感を買うばかりだ。
鳩山首相の演説を聞いていて、嫌な感じはしない。一所懸命説明しようと真剣で意欲的なのは理解出来る。だから、割合評判は良いようだ。しかし、実が伴わなければ所詮絵に描いた餅だ。鳩山政権のやっていることは、派手なビジョンと実行力を示しているが、やりたくない政策には中々手を打たない。急ぐ必要がないとか、時間をかける必要があるとか、この辺りは首相にリーダーシップが欠けるところだと思う。これが国内だけの問題ならまだ外交問題に発展することはないが、今頓挫しているのはすべてアメリカがらみの外交問題である。
なぜ一歩踏み出して積極的にアメリカと交渉しないのか。まずは日米同盟を基盤にした外交と言いながら、思いがけずアメリカの機嫌を損ねている。もっとアメリカと真摯に話し合い、対米交渉を前進させよ!