901.2009年10月31日(土) 尾崎秀実処刑65周年と「海ゆかば」

 午後駿河台の明治大学で日露歴史研究センター主催の「尾崎・ゾルゲ処刑65周年記念講演会」が開催されたので、ゼミの池田くんと誘い合わせて聴講した。昨夕図らずも尾崎秀実の実弟・秀樹について書いた峯島正行著「荒野も歩めば径になる」の出版記念会に出席したので、今日は頭の中が「尾崎」に占領されている。

 昨日は小中さんからも尾崎家の人間関係を聞かせてもらった。異母兄弟で21歳も年齢が離れているので、昔のこととは言いながらちょっと尋常ではないと思っていたが、秀樹はおめかけさんの子だと伺った。

 今日明大の講演では作家・西木正明氏が「近衛新体制とゾルゲ事件」、孫崎享・元外務省国際情報局長が「ゾルゲ事件時の国際環境と第二次大戦後の諜報活動」、下斗米伸夫・法政大学教授の「ゾルゲ事件・冷戦・共産党―モロトフ文書から」とそれぞれ専門家が話をされた。

 興味本位に題材を捜し求める作家として西木氏の話が魅力的だったし一番面白かった。孫崎氏はソフトな語り口だが、外務省で長らく諜報部門にも携わっていたせいで、日本人の中でも一番インテリジェンスに詳しいと自画自賛されておられた。ノンキャリアで苦労された休職中の佐藤優氏の話の方がよほど詳細で、相手の懐に入り込み活劇的で興味津々である。それに、孫崎氏はもう少しパワーポイントの使い方を研究して工夫しないと説明が分かりにくい。下斗米伸夫・法政大学教授は、最近ロンドンから帰ったばかりだと話されていたが、留学前にテレビにも度々出演して話している姿を観ているが、今日の話しぶりには少々失望した。もう少し整理して話されるのかと期待していた。話す内容を欲張りすぎているために早口の説明になり、一寸内容が理解しにくい。これは、池田くんに聞いても同じだったので、口幅ったい言い方だが、内容をカットして、もっと整理して、しかもパワーポイントの使い方をもう少し工夫した方がよいのではないかと感じた。

 5時前に池田くんに失礼して、JR西国分寺駅前「いずみホール」で開催の「第3回武蔵天平の郷・信時潔コンサート」に行った。昨年出席したのは、映画監督の篠田正浩氏と山崎洋さんがゾルゲ事件をテーマにトークショーをやったので、出かけたのだが、今年は昨年同様に信時潔の音楽に、山崎さんの平和へのメッセージの読み上げがあるということだった。彼も中々うまいメッセージと挨拶をしていた。1年ぶりに話をすることが出来て良かった。

 司会進行役を務めた田口精一さんと仰る89歳の劇団民芸の俳優さんが、山崎さんがブーケリッチ氏の遺児であることを初めて知ったと言い、かつて出演した「オットーと呼ばれる日本人」の主演俳優・宇野重吉と劇作家の木下順二が存命なら、驚き喜ばれたことだろうと話された。

 これからこの国分寺に信時潔が定着するのだろうが、名曲「海ゆかば」だけではなく、慶応義塾塾歌も良いメロディなので、演奏したら良いのではないかと思う。その他の演奏曲は知らない曲ばかりだったので、余計そのように感じた。

2009年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com