「知の現場」の再校ゲラが回ってきた。昨日の読み合わせに参加出来なかったので、メールで送信されてきた拙稿4名分をチェックした。いくつか気づいた点について秋田プロジェクト・リーダーに送る。とにかく出版までは気を抜けない。
一昨日韓国・釜山で射撃場の火災があり、多くの日本人観光客が亡くなった。随分雑な店のようだが、韓国ではスプリンクラー設置は法律で決められていなかったようだ。昨年1月に近代的な冷凍倉庫が爆発火災を起こし、40名が即死したが、かつてソウル市内のデパート火災でも多くの買い物客が亡くなったことがある。これから寒くなるので、火災の危険性も高くなる。
さて、私がインドを旅している間にアメリカのオバマ大統領が日本を訪れていた。僅か22時間の滞在の後、シンガポールで開催中のASEAN10 ヶ国首脳会議出席のため飛び立った。オバマ大統領にはノーベル平和賞受賞が強くアピールしていたので、広島か長崎のどちらでもいいから訪れて欲しかった。もし訪れてくれれば、国際社会に対して強烈な訴求力があったと思う。
昨日機内で「中国日報」英字判を読んだ時、1面にオバマと温家宝首相が握手している写真を見てうっかり中国を訪問中だと勘違いしたが、あの写真は9月の国連の場で会った時のものだろう。オバマはシンガポールでもあっという間に機上の人となり、今日中国を訪れ若者と対話集会をこなしていた。メディア報道によると若者が自由に発言しているように見えるが、どうもかなり規制が働いたようだ。その対話集会の前にオバマは中国首脳に対して自由な発言を求めたようだから、相当中国の言論統制を気にされ、注文をつけているようだ。
それにしても日本の外交はどうなったのか。前の自民党政権より腰がふらついている。今日も岡田外相が沖縄を訪れ、普天間基地と嘉手納基地を見学して何とか普天間を嘉手納へ統合させる私案を実現させようとしているが、地元はもちろん閣僚の間でも反対があり、中々ことが進まない。どうも岡田外相は手順が悪いような感じがしている。選挙のマニフェストに、基地を海外か県外へ移転させると実現性の薄い約束をしたことが足かせになり、今やニッチもサッチも行かなくなってしまった。
鳩山首相も煮え切らない。オバマとの会談で日米合意に沿って話を進めて欲しいと釘を刺されてしまった。結論も年内とか、早い時期とか、来年早めにとか、どうも結論が出るのかどうかも心配である。大体考えが甘い。例えば、県外移設なんてどの県も引き受けるはずがないではないか。海外移転についてはグアムが候補地のようだが、これだって相当の補償金をグアム政府に支払わなければ引き受けることは考えられない。
案の定今朝の朝日世論調査によれば、内閣支持率は微減程度で納まっているが、外交の評価は低い。評価36%に対して、反対が同じ36%と出た。いくつかの政策の中で一番評価が低い。鳩山外交もいよいよ正念場を迎えたようである。