朝食を終えて「チボリ会」は来年の再会を約束して解散となり、小雨の中をJR「スーパーひたち」で帰ってきた。これまでに何度も通った水戸駅東口周辺を改めてブリッジから一瞥してみたが、駅前周辺が狭くてイマイチ垢抜けず、県庁所在地でありながらどうもイメージがぱっとしない。藤原正彦教授が慨嘆したように、水戸がつまらない街になったというのは、私も同様に感じる。
都市計画というのは、余程国家百年の計のつもりで知恵を絞って考えないと碌なものにならないことが、この駅前の無秩序な都市計画の様子を見て何となく分かった。大きなお世話かも知れないが、このご時勢に茨城空港を開港(2010年3月予定)するくらいなら、茨城県の県庁所在地である水戸の都市計画を整備した方がよほど県民のために役立つし、ムダがなくなると思う。
今日のニュースの中で大きな話題が2つある。ひとつは鳩山首相の偽装献金問題であり、もうひとつは来春卒業する大学生の就職問題である。
前者は、春から故人らの献金が報告されて疑惑が燻っていたが、今日の夕刊やテレビ・ニュースで報道されたところによると、首相の資金管理団体への献金が違法になされていたようだ。すでに東京地検特捜部は、政治資金規正法違反容疑で元公設第一秘書を在宅で起訴する方針らしい。
そもそも一般個人への資金管理団体への寄付の上限額は年間150万円である。ところが、首相サイドには、毎月1,500万円の現金が5年間に亘って実母から流れていた。トータルで9億円に上がる巨額である。この点については、母親から借り入れていたと信じられないような回答をしている。これが本当なら生前贈与に対する、一種の相続税の脱税ではないか。しかも、以前に鳩山首相はメルマガで、秘書の罪は政治家の罪であるような発言をしていた。今になって、自分は偽装献金には関知しない、すべて秘書が勝手にやっていたという言い訳は、天に向かって唾するような言葉ではないだろうか。まだまだ、不明な点が多く、残る原資も解明されていない。首相は、検察の調査を待ってなどと他人事のような発言をするのではなく、自ら真実を語るべきである。当分この献金疑惑から目を離せない。
後者は、大学生の就職内定率が就職氷河期以来の低さであると、自治体、大学、企業間で懸念されている。平成15年、16年の氷河期は11月時点で60.2%、61.3%だったが、今年も現時点で62.5%と、昨年同期より7.4%も下がっている。高校生に至っては、9月末時点で37.6%の内定率で、流石に厚労省と各自治体でも憂慮している。企業にとっても昨年内定取り消しをやって世間から総スカンを食った例もあるので、採用を控え目に考えているらしい。
もし、このまま就職浪人を出すとなると彼らの意欲、モチベーション、ビジョンが萎んでしまうし、社会的にも失業者を生むことは、社会の不安を増幅し、未来の展望も暗いものとなる。これらの失業者が、ニートや非正規社員、派遣社員になっていくと現在の労働市場の質を更に悪化させることにつながる恐れがある。
今のところ国として抜本的な戦略や対策が講じられている様子は見られない。就職希望の大学4年生と高校3年生は、これからどう就活をすすめていくのか大いに気になるところである。