936.2009年12月5日(土) 迷走する鳩山由起夫氏は果たして首相の器か。

 沖縄の米軍普天間基地の移設問題が混迷の度合いを深めている。その最大の原因は、鳩山首相のリーダーシップの欠如と、アメリカよりも連立を組んでいる国民新党と社民党の意見を取り入れすぎることにあるようだ。アメリカは不信感を強めており日米関係も聊か危うくなってきた。

 ところで、鳩山由起夫氏は果たして首相の器なのか。理想も良い。人望もあるようだ。マス・メディアを始め対人関係には丁寧に対応している。だから、人気もかなり高いようだ。しかし、政治を司り国を動かしていくトップとしては、決断力に乏しく、あまりにも頼りない印象を受ける。朝令暮改も甚だしい。いろいろな意見を持っていても、それを充分こなし切れず、是々非々の判断に迷いが見られる。いろいろな方針を大臣に検討させたり、命じたりするのは善しとして、上がってきた材料を料理する知恵と工夫が足りないよいだ。

 今迷走中の普天間基地問題は、アメリカとの合意事項には辺野古への移設が盛られていた。代案「海外か県外移設」を充分検討しない間に総選挙が近づき、沖縄県民の理解を得られやすい代案をぶち上げた。まったく成算なしにである。その軽薄さが、ここへきて首相自身自らの首を絞めることになった。

 鳩山首相は、良家のお坊ちゃまのまま苦労を知らずに今日まで来てしまった。潤沢な資金を持ち、苦労したことがないから、ちょっとした苦難にも耐えられそうもないし、苦衷の中で知恵が生まれてこない。さらに普通の人間の感覚が分からないところもあるようだ。あまりにも一般の常識とずれている。それが「宇宙人」と呼ばれる原因にもなっている。これだから閣僚や取り巻きも大変である。

 最近の偽装献金問題のお粗末さは、救いようがない。自分は知らなかった。秘書がすべて仕切っていた。こんな言葉は中間管理者あたりまでの下っ端の人間の言うことだ。まして、政権を取る前の2002年の加藤紘一・自民党元幹事長の秘書疑惑、その後の社民党辻元清美・現国土交通副大臣の秘書給与流用事件の際は、秘書の責任はすべて議員の責任と言っていたのではなかったか。資金が母親から拠出されていたことには驚いているとまでしらばくれている。これには漢字を読めないと笑い者になった麻生太郎・前首相にまで「驚くのはおかしい。驚いているのはむしろこちらの方だ」とまで皮肉られている。弟の邦夫元総務相ともども母親から資金を出してもらって、自分は与り知らぬとはよく言えたもので、とても普通の神経ではない。兄弟2人して贈与税の脱税を繰り返していたわけである。こういう世間を欺くような頼りにならない人物を総理大臣に押し上げた責任は、やはりわれわれ国民が負うべきなのであろう。やれやれである。

2009年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com