940.2009 年12月9日(水) 日米両政府は普天間基地問題を解決する気があるのか。

 このところ政治が動いていないように思える。沖縄普天間基地移設問題は袋小路に入り込んだかの感がある。政権内部でも、鳩山首相は持論を述べず、リーダーシップを発揮せずの他人任せであり、岡田外相、北沢防衛相、福島少子化担当相らはばらばらに持論を述べている。沖縄の仲井真知事は当然地元の考え方を主張している。

 アメリカが痺れを切らして、日米同盟が危ういような発言をしていたが、日米高官の発言が沖縄住民の気持ちをすっぽりと見落としていることが問題だ。これまでの日本側の準備や手順も悪かったが、アメリカにも沖縄、日本を軽視する考えがあることは事実だ。アメリカは大体安保条約がある以上基地使用は当然という言い方をしているが、一体どこの国の土地の使用問題かという点にまったく配慮が足りない。日本もその点を強調するのではなく、説明して分からせる努力が必要なのではないか。

 今日アメリカから伝えられた一高官の「このままCOP15で両国首脳が会うことは、オバマ大統領の時間の浪費だ」の傲岸不遜な発言に至っては、相手の気持ちを慮る姿勢がまったく感じられない。まるでこちらの言い分を認めなかったらもう相手にしないとでも言っているようなものだ。もし、こういう傲慢な意見がアメリカ政府内部に他にもあるとするなら、相当覚悟して日米関係を基礎から構築し直すことが必要である。

  そもそもどうしてこんな相互不信の状態になってしまったのか。岡田外相の言動を見ていても、虚虚実実のかけひきをあまりやった経験がないと分かる。外交下手なのだ。いつも義務のように巨額の拠出金ばかり負わされる日本の外交下手は、日本人の消極性、へりくだりや、謙虚さに負うところもあるが、外交官が現場レベルで丁々発止と渡り合う訓練と度量が足りないからだ。これから普天間基地問題はどうなるか。このままで良いわけはないので、どういう動きをするのか、当分目を離せない。

 昨日からコペンハーゲンで気候温暖化に伴う地球環境について、2012年に失効する京都議定書後の取り決めを話し合うCOP15なる会議が始まった。世界中から190ヶ国、15,000人が集まった。110ヶ国から首脳もやって来るそうだ。オバマ大統領も出席するという。最近の情勢では途上国が強気で意見がまとまりそうもない。そのカギを握るのは、やはり中国だろう。8日間の間に結論は出そうもない。政治声明を発表して、今後解決へ向けて話し合いを進めていこうとのスタンスを見せるだけのものだろう。国際交渉の舞台でもメリハリの利いた論理的な欧米流儀から段々日本的曖昧さが表に出るようになってきた。この傾向は世界を益々停滞させることにつながるのではないか。

 余計な話だが、このCOPというのは何を意味しているのだろうかと考えたら、COPENHAGENの略字ではなく、‘The Conference of the Parties’を略したもので、日本語では「第15回国連機構変動枠組み条約締約国会議」というのだそうだ。英語は簡単過ぎてよく分からない。一方で、この日本語は分かることは分かるが、少々長過ぎないか。これなら大幅に詰めて今流行の簡略語にしてみたらどうか。「カラマーゾフの兄弟」を不見識にも「カラキョー」とやったように。

 9月から受講していた多摩美術大学の生涯学習講座「世界の都市を歩く」も今日が最終日で、ターゲットはチュニジアだった。これまでヨーロッパとメキシコだったが、ちょっと珍しいテーマだと思う。しかし、建築と音楽を紹介してくれて結構面白かった。終って修了証書をいただいた。

2009年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com