「知の現場」の宣伝チラシがプロジェクト・マネージャーを経由して送られてきたので、私なりのPR文を付けて早速知人や友人にメールで送信したところ、間髪を入れず本命のチラシではなく、私が最近の鳩山政権の迷走ぶりを非難したブログについて、フロリダ州マイアミ市在住の鹿住一夫さんと仰る方から「アメリカから見ていても、どうもリーダーシップに欠けるように思われます。連立政権の弱みかも知れませんが、社会党、国民新党の言い分を重視し過ぎていて、議員数では圧倒的に勝る民主党としての主張が希薄のように見えてなりません。また偽装献金問題にしても、かつての野党の党首時代に『秘書の犯罪は議員も同罪』と繰り返していたのが、今では『母親から送金を受けていたことを自分は知らなかった』で逃げている。こんな大金が動いていて本人が知らないはずはありません」とのメールをいただいた。まったくその通りである。長い間アメリカでご苦労されておられる市井人だけに、反って日本の混乱ぶりがニュートラルに見えるのだろう。
ゼミの後輩のひとりからもメールをもらった。彼は幾分民主党に理解があって、政権を取って間もない民主党は充分体制が整っていないので、明治維新時に明治政府が体制作りに時間がかかったことを例に挙げ、もう少し時間をかけて見てみたいとのメールをもらった。まあそれも分からないわけではないが、今回の迷走ぶりは、そういう安定基盤に時間がかかるという問題ではなく、信念の問題である。まして外交問題、特に対米同盟、それも火急的な基地移設という重要課題が絡んでいるので、そうのんびり待っているわけにも行くまい。鳩山政権の腰が定まらない迷走の最大の原因は、一にかかって鳩山首相自身に政権運営の哲学と信念が欠けているからに他ならない。
大体母親から9億円にものぼる巨額の贈与を受けていながら、知らぬ存ぜぬで罪を秘書に押し付けて、挙句の果ては母親からの資金であることが判明するや、検察の解明を待って法律に則り対処したいなどと誰も信用しないような言い草で時間稼ぎをしている。法律を犯した本人が、一旦ばれるや法律に則って適正に対応するなどという図々しい発想はどこから出てくるのだ。まるで盗人猛々しい鉄面皮ではないか。同じように母親から9億円の資金供与を受けていたことが判明した弟の鳩山邦夫・元総務相のごときは、得意気に(脱税していた)贈与税を納めると言い出し、兄の首相へ白状した方が良いようなニュアンスの発言をしている。反って潔いなどと見当違いで次元の低い持ち上げ方をするメディアまで出る始末である。
どっちにしろ、兄弟ふたりして巨額脱税行為をやっておいて、ばれたから納税しますとの論理は、一般市民の感覚ではとても理解出来ない。もう少し自分の身を潔白にして議員活動が出来ないものか。
民主党が民主党なら、邦夫議員のほかにも自民党は脱税議員が多士済々?である。負けずに脱税行為をやっていた二階・前国交相の悪質な政治資金規正法違反も秘書を略式起訴かなんかでお茶を濁し、議員本人は逃げ切るつもりのようだ。部下に罪を被せて放ったらかしにする「先生」ばかりだ。少しは軍神廣瀬武夫・海軍中佐の部下・杉野孫七兵曹長を思う気持ちを見習ったらどうか。国会議員というのは、悪事をするために議員になったのではないかと皮肉のひとつも言いたくなる。