3264.2016年4月20日(水) 日本の「報道の自由度」は低下している。

 熊本の地震に気を取られている間に、昨日アメリカではニューヨーク州で大統領予備選が、民主党、共和党ともに行われ、それぞれ低調傾向にあった民主党クリントン氏と共和党トランプ氏が大票田の地元でともに勝って敗勢を立て直したように見える。だが、両党とも接戦の予備選ではまだ誰が候補者に指名されるか混沌としている。

 今回は過去の大統領選に比べて各候補者の政策や人間性に魅力が乏しい。8年前に颯爽とデビューし、‘Yes, we can’とそのフレッシュな言動が魅力的だったオバマ現大統領に比べると、現在渦中の候補者らにはいま一つアピール度が足りない。

 その中で私は個人的には民主党のバーニー・サンダース氏の政策に共鳴している。このところ7連勝と勝ち続けて勢いをつけてきたが、クリントン氏の地元NYで敗れてしまった。いずれにせよ世界のリーダーを決める11月の本選に向け、まだまだ勝敗は予断を許さない。

 さて、昨日キューバではフィデル・カストロ前国家評議会議長が、共産党大会閉会式に出席し、公的舞台からのお別れ演説を行った。ついに最後まで共産党員として自らの信念を貫き「キューバ共産党の思想は残る」との言葉で締めくくったようだが、ソ連共産党が壊滅的崩壊を遂げ、中国共産党は名ばかりの共産党で実態は帝国主義と変わらない。その中でまもなく90歳になる革命家カストロは、最後まで共産国家キューバの象徴だった。私にはチェ・ゲバラらとともにバチスタ政権を倒した革命家として、また米ソ冷戦下にキューバ海上封鎖をもたらしたエポックメーキングな人物として印象が強い。異論があるかも知れないが、世界政治史に一代を画した人物の1人と言ってもよいのではないだろうか。

 ついては、国際NGO「国境なき記者団」が今年も「報道の自由度ランキング」を発表した。対象の国、地域180ヶ国の中で、残念なことにこのところ日本は毎年ランクを下げ続け、ついに今年は72位という情けない地位に甘んじることになった。日本は2011年には高く評価され11位だったが、年々順位を下げ14年59位、15年は61位だった。日本への評価は「問題がある」アイテムに格付けされ、特定秘密保護法の施行が効いていると同時に、安倍政権になってから順位を落としていることから考えれば、安倍首相グループが報道の自由を絞めつけているという指摘も成り立つ。

 そんな情報の中で、今日原発稼働後40年を経過した関西電力高浜原発1号機と2号機について、原子力規制委員会が新規制基準を満たす審査書を正式決定し、安全対策の基本方針に関する関西電力の申請を許可した。老朽原発の再稼働に‘GO’サインを出したのである。どうもこの決定はやらせのような気がしてならない。熊本地震の影響で中央構造線断層帯延長線上にある伊方原発の危険性が指摘されている折、伊方は影響ないと言った直後、老朽化した原発の再稼働を認めたが、これら2つの事象は海外への原発建設工事セールスマン役を務めている安倍首相に対するご機嫌取りのようなパフォーマンスに思えて仕方がない。

2016年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com