950.2009年12月19日(土) 成果なし。COP15閉幕

 8日からコペンハーゲンで開催されていた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)が、今日最終日となって政治合意案を大筋で了承して幕となった。

 しかし、まとめられた政治的合意には法的拘束力は伴わない。結局これだけ大掛かりな世界的会議を開催していながら、地球温暖化防止の動きはほとんど前進しなかったことになる。

 世界各国がそれぞれ自己本位に主張するばかりで、地球温暖化を食い止めるという大きなテーマは隅に追いやられて、肝心要の前向きの討論がおろそかにされ、2012年を期限とする京都議定書を超えた新しい取り決めが出来なかった。

 その最大のガンとなったのは、言うまでもなく中国であり、アメリカである。さらに言えば、インド、ブラジル、そして発展途上のアフリカ諸国である。前回の京都会議ではまだ影が薄かった中国が、今では世界最大のCO2排出国になっている。その中国が地球温暖化を引っ張り、途上国に悪知恵を授けている。地球を汚していることに反省も責任も感ずることなく、先進国へ排出規制を迫り、持論を展開して現在の地球温暖化は先進国に責任があり、中国は責任がないと主張している。中国は先進国の言う排出ガスの規制には応じられないというのが自分たちの考えであり、強く先進国にはCO2排出規制を促すという都合の良い論理を展開中である。

 この中国の身勝手な論理には、開いた口が塞がらない。この論理を堂々展開する交渉力には、日本はおろか普通の国も呆気にとられている。

 しかし、これだけ世界に迷惑をかけ自分たちだけ良ければよいと主張することは、将来生き残った自国民が世界中の人たちに対して、恥ずかしい気持ちを抱くことになるのではないかと懸念するがどんなものだろうか。

 とにかく法的拘束力の伴わない政治合意が歩み出すことになった。これで日本は鳩山首相が先の国連総会で世界へ向けて発信した「排出ガス25%削減」の公約も守らなくても非難されることはなくなったが、果たしてこんなことで将来地球環境は守られるのだろうか。核保有問題も同じ理屈である。このままでは、核と温室ガスで人類が地球を破壊していくことに付き合わされることになる。

2009年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com