957.2009年12月26日(土) 国家財政は大丈夫か?

 すったもんだしていた来年度予算案が漸く(閣議)決定された。景気が悪く税収が減る一方で、マニフェスト上ある程度ばらまきは容認されるし、景気刺激策も多少認められるし、国債発行もありで、歳出ばかり突出して増える一方である。歳出額は過去最大の92兆円強である。前年度に比して4兆円弱も増えている。これに対して歳入はまったく不足して、税収は37兆4千億円である。これを補うのは、国債が44兆円、更に足りない分を埋蔵金と称される特別会計の剰余金で補った。悩ましいのは、一般会計92兆円、税外収入10兆円、国債発行額44兆円のすべてが、過去最大であることである。加えて国債発行額が税収を上回ったのが戦後初だそうだから、いよいよ日本丸は沈没の危機に瀕していると言ってもいい。

 毎度言われていることであるが、政治家を始め国民の間で、喉元過ぎれば熱さを忘れる傾向があり、一般的に国の財政危機に対する認識が希薄過ぎるようだ。今回も事業仕分けとか、各省庁の虚虚実実の駆け引きがあって目先の問題解決に対する目はかなり真剣である。問題は、この後である。昨日閣議決定した予算案を見てこの赤字経営状態をいつまで続けていくのか、まず政治家は考えてもらいたい。

 景気が悪く現時点で税収が少ないのはある程度已むを得ない。しかし、財政の立て直しより税収が少ないことを言い訳にして、収入を増やし、支出を減らす努力を怠っているのではないか。赤字予算を策定した今の時点で、来年度はもう少し健全財政に近づくように、有効な次の手を打つことを真剣に考えなければならない。将来的にこの異常な財政状態を一歩でも解決する策を早く打たなければ、このまま赤字を流し続けて、最後には財政破綻という最悪の事態へ落ち込んでしまう。今の状態が続くようだと、国債発行額は益々増え、後世に大きなツケを残すことになる。

 これまでにもその点を指摘する声は多かった。しかし、手を打たずにその悪循環を止められない。どうして、社会を壊す動きを止められないのだろう。来年度予算は今年だけのレアケースにして、もう過去最悪というようなことは止めてほしい。

 私が大学生になった昭和34年度の一般会計予算の歳出総額は、1兆4千億円だった。来年度予算の僅か70分の1である。あまりにも遠い数字になった。

2009年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com