3365.2016年7月30日(土) 公的年金運用は赤字だった。

 先日来時々運用方で話題になる公的年金が、2015年度だけで運用損が5兆3千億円に上がっていたことが明らかになった。赤字は5年ぶりのことである。巨額の資産を預かって運用を行っているのは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という法人である。

 最初にGPIFが話題になったのは、2014年10月に運用基準を見直して株式の運用比率を24%から50%に引き上げた時である。あれっ、大丈夫かなと思った。幸いその年は運用益があったが、今回は株価の低迷などでそうは行かなかった。当時運用を見直した際、リスクが高い株式への傾斜に若干不安の声があった。実際に恐れていたことが現実となったのである。大体これほど大事な運用について、国民的議論が交わされたという話は聞いていない。変更するにいたった議論はもとより詳細を国民に知らせずに結論だけを知らせて、結果的に損失を被ったことに対してGPIFの責任者と当事者はどう考え、どういう対応をとり、今後どう運用するのかという点について国民に分かり易く説明すべきではないだろうか。急には年金の支払い事情が悪くなるということはないと気楽なことを言っている場合ではないと思うのだが・・・。

 年金という国民の財産をいとも安易に運用したかの如く、結果を説明せず責任もとらないというのはあまりにも国民を蔑ろにし、愚弄しているとしか思えない。

 日本の公的年金積立金の資産構成は、現状では債券と株式がほぼ半分ずつであるが、あの投資活動が盛んでとかく健康保険などでも国民の間に不満が燻っているアメリカでさえ、年金資産額は日本の137兆円に比べて、3倍近い334兆円もあり、その運用も堅実で100%全額を債券に投資している。とかく役人に甘いわが国としても、ここはきちんとけじめをつけて、当事者に責任を取らせると同時に、一昨年のように運用見直しについてはその詳細を国民に説明し、併せてリスクの高い株式より債券運用にウェイトを置くべきことを提言したい。

 さて、舛添前知事のスキャンダルによる辞任に端を発した、東京都知事選もいよいよ明日が投票日である。過去最多の21人が立候補して、保守分裂などで大きなスポットを当てられているのは、自民・公明両党推薦の増田寛也氏と小池百合子・元防衛相、そしてジャーナリストで野党4党から推薦を受けた鳥越俊太郎氏ら3氏である。他の18人の中にはある程度著名な候補者もいるが、近所のポスター公示場所には、僅か8人のポスターしか貼られていない。メディアの取り上げ方は、結局名の売れた3人に絞られている。

 今日も候補者はそれぞれ最後の街頭演説に繰り出しているようだが、結論は明日開票で明日遅くには出るらしい。今度こそは真面目で都民のことを真剣に考えてくれる知事が誕生することを願いたい。

2016年7月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com