3165.2016年1月12日(火) 戦時中の前線・銃後を伝えたドキュメント

 終戦70周年の昨年12月NHKテレビで放映された「THE LAST WAR-完全版・カラーでみる太平洋戦争」録画をやっと観ることが出来た。「カラー」と殊更強調しているだけあってモノクロ画面を特殊な技法とIT技術によりリアルなカラー画面へ見事に復元している。1時間30分の放映時間の中で、アメリカ側から提供されたカラーとモノクロ画像に、日本側で撮影したモノクロ画像を加えて時系列的にカラー映像に編集し直したものである。日中戦争から終戦翌年の昭和21年正月の風景まで松平定知NHKアナのナレーションで説明している。上手に戦史を編集しており、その史実はもちろん承知しているが、改めて画像を観ていると感慨深いものがある。特にこれまで観たことのない写真をどこから集めたのか、貴重な資料だと思う。私にとっても永久保存版とも言える貴重な資料である。

 この種の画像は何度観ても戦争のバカバカしさと、なぜ日本が大東亜戦争に突っ走ってしまったのか、考えさせられる。誰もが戦争は2度とやってはいけないと叫ぶが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の譬え通り、戦争を知らない世代が権力を握ると自らは戦場へ行く気がなくても、若者を戦場に送り将棋の駒指しをして戦線を拡大していく。

 その録画では餓死寸前の日本兵や、黒焦げとなった死体、瀕死の原爆被爆者、米兵の間を逃げ惑う沖縄の幼女など、見たくもない悲惨な映像が後から後へと映し出される。シンガポール陥落の山下奉文司令官とパーシヴァル英司令官の降伏文書調印場面の作為的なシーンの説明や、そのパーシヴァル将軍が立場が変わって勝者となり、戦艦ミズーリ号上に姿を見せる光景などは、初めて観た珍しい画像だった。

 それにしても自民、公明の与党が併せて2/3議席以上を抑えた衆議院では、来る参院選で2/3議席以上の獲得を狙い、目標達成となった暁には、安倍首相の念願である憲法改正へ歩を進め、昨年成立した安保関連法案を露払いに海外派兵から戦争へ突入となって行くのではないだろうか。お~怖い、怖い。

 今日の国会で安倍首相は、衆議院で与党が2/3議席を占めている優位に悪乗りして、質問を受けて我が党は結党以来憲法改正を考えていたと本音を漏らした。その手法は些か姑息ではないか。それならそうともっと早くから、一強多弱でない時代に提案し、時間をかけて説明すべきではないか。とにかく安倍政権が憲法改正をやってのけようとしていることははっきりした。

 さて、年が明けてから東京株式市場では株価が下がりっ放しで、今日も479円の値下がりとなった。6日間下げ続けたのは、戦後初めてというから穏やかではない。6日間の下げ幅は1,814円で、ついに日経平均株価は17,218.96円まで落ち込んだ。これは昨年9月末以来である。

 世界的な株価の低迷は、その原因として中国経済の不安定さと原油価格の大幅な下落にあるとされている。それ以外にも国際社会の政治の不安があると思う。イスタンブールでは昨年10月に100人が犠牲になるテロが起きたばかりだが、今日また10人が死亡するテロ騒ぎがあったようだ。国連はシリア国内の難民が食糧を入手出来ずに、飢餓状態に追い込まれ、子どもが亡くなっているとシリア政府を非難している。どうも新年早々から中東を主に世界中が騒がしいような気がしている。

2016年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com