990.2010年1月28日(木) アメリカは景気低迷でもリーダーが頼りになる。

 就任2年目に入ったオバマ・米大統領が一般教書演説を行ったが、その最大の目玉は雇用創出と5年内の輸出倍増である。オバマ氏の支持率が1年前には70%近くあったが、医療保険改革の頓挫等で最近では50%前後にまで落ちている。更に、先日は追い討ちをかけるように、マサチューセッツ州の上院議員補欠選挙でも民主党の地盤でありながら共和党候補に敗れた。

 国家輸出戦略の中でオバマ氏はアジアとの貿易関係を強めると語ったが、具体的に日本との関係には触れなかった。例えば、改革を進める国として挙げたのは中国、ドイツ、インドで、具体的にこれらの国は数学や科学を重視し、インフラ整備も進めて、雇用創出に向けて代替エネルギーに投資していると言及した。今のところ日米間は、沖縄の普天間基地移設問題が霧の中にあり、加えてトヨタの欠陥車問題により、アメリカ市場では一時販売を中止する難題も起きており視界は見難い。オバマ氏の頭の中には、日本地図があったのか、或いはあったが、敢えて触れなかったのだろうか。

 アメリカ経済も回復の兆しが中々感じられないが、オバマ大統領のしたたかなリーダーシップは、その演説の力強さと巧いパフォーマンスによく表れている。鳩山首相の元気もなく自信もなさそうなスピーチに比べると、頼りになりそうなのはどうしたってオバマ氏の方だろう。

 今日国会では漸く今年度第2次補正予算案が通過した。7.2兆円の巨額である。景気刺激も良いが、もう少し財政のアンバランスを解決するスキームとスケジュールをはっきり打ち出して欲しいものである。道楽息子の無駄遣いのように、ただ金を注ぎ込んで現状打開を図るだけの予算執行では、いずれ国家財政も破綻してしまう。

 JAPAN NOW観光情報協会の企画会議に出席したが、今年協会で出版する観光書について報告がなされた。先日質した書名について相変わらず「観光事典」のままなので、これから検討することにして、現状ではペンディングのはずではないかと改めて質問し、書名から堅苦しい「事典」を削除する方がベターだと話した。これでまた書名の決定は先送りとなり、他にも「事典」を使うことに異議を唱える執筆者もいて、さらに検討することになった。前回の「知の現場」の時も、若い人たちとコミュニケートすることの難しさを味わったが、今回は年齢的な問題ではなく、「観光」と「書物の内容」に関する考え方の相違を感じたものである。

 取りあえず、私の担当する章「観光」について、見出しを拾い出して検討することになった。

2010年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com