989.2010 年1月27日(水) 韓国の民青学連事件で日本人無罪

 ハイチの大地震による犠牲者の数は、その後増え続け国連関係者の発表では死者が15万人を超えたという。倒壊した建物の瓦礫の下に埋もれた死体がまだ相当数予想されるところから、犠牲者の数は20万人を超えるのではないかと懸念されている。ほんの僅かな時間にこれだけの貴重な生命が失われるわけだから、やはり普段から防災意識として、備えと万が一災害に襲われた時の脱出について知識を持っていなければいけないとつくづく思う。

 過日わが家の配水管と白蟻駆除の工事屋さんに、住宅用火災警報器の設置について見積もりの作成をお願いしたところ、6箇所の電池式ワイヤレス連動型住宅用火災報知器の取り付けと工事費を併せてざっと8万円だった。煙と熱を感知するシステムで、来年度から法律で設置が義務付けられるので、設置することにしたが、結局のところ住人の防災意識がしっかりしていないと、設備ばかり充実させたところで効果がないということになりかねないので、日頃からその点には気をつけようと思っている。

 それにしてもハイチの人たちの悲しみとこれからも続く苦難を思うと気の毒でならない。日本は遅れがちだったが、日本赤十字社の救護医療班に続いて自衛隊医療支援部隊が現地入りした。新たに道路片付けのためのPKO部隊も出発する予定だし、追加支援として義捐金60億円を提供することにしたので、国連や現地では高い評価を受けることになりほっとしたところである。

 一方で、地震発生とともに救援活動に一番乗りした中国は、不幸にして8人の救援隊員の死亡事故の事後対応に大童だったが、結果的にその救援活動のあり方と対応が、現地で非難された点もあって音なしとなってしまった。つくづく国際貢献活動というのは難しいと感じる。

 折りも折り、世界遺産の中で最も人気のあるペルーのマチュピチュでは、昨夜大雨が大洪水を伴い、マチュピチュへの唯一の交通手段である鉄道が寸断し、観光客2千人がマチュピチュに立ち往生してしまった。その中で日本人観光客も60人ほどが取り残されているようだ。線路が流されてしまったので、ヘリによる搬送を行っている。20年以上も前に訪れた時、クスコとマチュピチュの間に逃げ道がないことを感じて、事故が起きたらどうするんだろうと気になったが、現実のものとなってしまった。

 自然災害というのは、予告なしに不意に襲ってくる。怖いものだ。その被害から逃れる最大の術は、普段の災害に対する知識と備えである。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言われるが、いつも謙虚に拳拳服膺する心構えが必要だと思う。

 36年前に韓国で起きた「民青学連(全国民主青年学生総連盟)事件」で逮捕され、懲役20年の刑を宣告されていた日本人の再審請求が今日ソウル中央地裁で行われ、無罪が言い渡され名誉回復がなった。すでに韓国人8人が処刑されている。朴正熙軍事政権転覆を謀ったとして民主化運動関係者が多数逮捕された暗黒の事件だが、5年前に事件は朴政権による民主化運動弾圧のためのでっち上げとされ、今日晴れて無罪となった。まさに冤罪である。すっかりその日本人の名前を忘れていたが、新聞記事で思い出した。「太刀川正樹」さんだった。今ではニューヨークでフリーライターとして活動している。あの事件の2年前に初めて韓国を訪れ釜山からソウルまで車で移動したが、軍事国家体制の緊張感が国中に漲っていたのを怖いような印象で受け止めたことを思い出した。もうひとりの日本人の所在は不明だそうである。あんな暗黒事件はもう真っ平である。

2010年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com