996.2010年2月3日(水) トヨタの車が販売中止に

 朝日新聞朝刊の中国関係の記事に思わず笑ってしまった。列車の窓から乗り込む乗客を手助けした駅員の姿がユーモラスに写っている。中国では旧正月を故郷で迎える帰省ラッシュが始まり、どこの鉄道駅も乗客で溢れかえっているようだ。ふるっているのは、この一事を以って広東省東莞東駅の駅長が更迭されたことだ。ちょっとやり過ぎだと思うが、これが中国らしいところかも知れない。

 実は、大学2年時にアルペン・クラブの春の合宿で東北の名山飯豊山を縦走した時、乗換駅の郡山で列車から降りる際、つい若気の至りで窓から降りたところを、ちょうどプラットフォームにいた駅員に見つかって注意された。50年前に地方都市でやった蛮行が、今中国の一地方駅で行われている。懐かしいような気になり、ついにんまりしてしまった。

 トヨタのリコール問題がアメリカで大きな問題になっている。トヨタ自動車の欠陥車両のリコールの結果、トヨタは該当車両を一時販売中止することを決定した。アメリカのみならず、ヨーロッパや中国でもトヨタ車の欠陥車が見つかった。その数は1千万台近くに達するという。元々アメリカ国内で生産、販売されるトヨタ車は、すべての部品が日本国内で生産されたものではない。日米自動車交渉が暗礁に乗り上げた時、アメリカ国内にジャパン・バッシングが起こり、一部部品はアメリカ製品を使用することになり、今回問題になったアクセルとブレーキが偶々そのアメリカ製だった。ヨーロッパと中国で販売されているトヨタ車もアメリカ製部品を使用していたので、アメリカ同様リコール、即販売中止となったようである。

 今回の騒ぎを見ていると、アメリカの嫌らしさも目立つ。相手がダメージを浴びた弱みにつけこんでトヨタ車からGMなりフォードに買い換えた場合、割引するというベニスの商人的あこぎなセールス手法には、ちょっと呆れる。更にアメリカ連邦政府もトヨタに対して制裁金を課すとか、公聴会を開くとか報道されている。アメリカ人商道はもう少し紳士的だと思っていたが、自国の自動車産業が追い詰められている今日、背に腹は変えられず、一気に弱みを叩く行動に出る。アメリカン・パフォーマンスの本音は内向きではないかと思わざるを得ない。

 それにしても、しばらくアメリカの仕打ちと、対応するトヨタの対応から目が離せない。

2010年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com