立春というのに今日は特別に寒い。北海道の占冠村では零下34.4℃だった。
小沢一郎・民主党幹事長が、政治資金規正法違反と世田谷区土地購入代金の出所について市民団体から刑事告発されていたが、今日3人の元秘書が起訴されたのに対して小沢氏自身は嫌疑不十分で起訴を見送られた。どうも納得が行かない。結局秘書が逮捕されても、代議士本人は身柄を拘束されないといういつものパターンで司直の手に落ちることはなかった。
「疑わしきは罰せず」と考えられたのだろうか、あれほど怪しげな資金の出入れ、政治資金の虚偽記載、水谷建設や西松建設幹部の裏金献金証言、土地入手の資金源、等々マス・メディアの報道を見る限り、限りなく黒に近い灰色どころか、黒一色である。これでは大物政治家はいくら悪事をやってもお縄を頂戴することはないということになる。
小沢氏は不起訴処分を聞いて通り一遍の記者会見をしたが、佐久間・東京地検特捜部長は、起訴に追い込めなかったことが無念と思ったのか、異例の1時間20分もの長時間の記者会見を行った。内容は明日の朝刊で詳らかにされるだろう。
小沢氏は幹事長職をこのまま続けるそうだが、道義上の責任もあり、説明責任も果たしているとは言えず、どうしても後味の悪さが残る。
さて、一般人を飲酒のうえで殴打した横綱朝青龍が今日引退を発表した。解雇、除名の厳しい裁定が出される前に自ら身を退いた方が傷は深くないと判断したのだろう。被害者と示談を成立させて事件性をもみ消そうとしたのだろうが、反って横綱を窮地に追い込んだ形になったようだ。朝青龍は元々トラブル・メーカーとして言動面で顰蹙を買うことが多く、度々警告処分も受けていた。家庭的には夫人を殴りつけて怪我をさせて別れ、6年前には高砂親方を殴り、2年前には巡業をサボって故郷モンゴルでサッカーをして、出場停止処分を食らっている。駄々っ子が大人になったような人間だった。それにしても惜しい関取だ。相撲の強さにおいては、7場所連続優勝を飾ったり、史上3番目の優勝回数を誇るほど抜きん出ていた。街でも引退を惜しむ声が強い。その一方であまりにも国技である相撲を舐めているとか、品格がなさ過ぎるとの声が上がっている。これほどお行儀の悪い横綱も初めてである。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の気持ちが、頭の片隅に少しでもあれば、こういう不名誉なことで角界を去ることにはならなかったのではないだろうか。
残る小沢と去る朝青龍の対照が象徴的である。