トヨタのアメリカ国内で発生したアクセルとブレーキの不具合がリコールの対象となり、大きな社会問題になっているが、その後、国内でもベストセラーのプリウスのブレーキに苦情が出て、昨日になって漸く豊田章男・トヨタ社長が謝罪の記者会見をした。
しかし、はっきり言って豊田社長の行動はちょっと遅い。昨晩テレビで自動車関係のジャーナリストが、トヨタの遅い行動と社長の指針が直ぐ伝わらない不手際を指摘していた。昨日の社長会見でも、アメリカの運輸長官から抗議を受けてやっと動いたという感じである。
クレームの対応、処理と解決は、初動行動に尽きる。つまり、すぐ手を打てば大きな苦情にならないことでも、それを軽んじて行動を起こさないからクレームが拡大する。その点は私自身のクレーム対応体験からもはっきり言うことが出来る。
それにトヨタの豊田社長は、やはり世襲経営者の域から抜け出ていないようだ。所詮お坊ちゃんである。世間を見る目が甘い。会社を取り巻く現状と問題の本質がよく理解出来ていない。周囲から大事に扱われ、部下から傅かれ世間の動きや空気、現場というものがよく分かっていないのではないか。この苦境を乗り切っていけるだろうかと一抹の不安がよぎる。仮にこの荒波を乗り切れれば、今後の努力次第で世界でも有数の経営者になれる道が開けてくるかも知れない。
それにしてもここ数日天候が完全に昔の冬型に戻ったようだ。息子の住む新潟では、29年ぶりの大雪で毎日積雪が増している。京都でも雪が降り、金閣寺がうっすらと雪化粧したようだが、そう言えば、三島由紀夫から私の友人の父上に宛てた手紙の中に、大岡昇平が「キンカクジ」を「キンカクシ」と三島が書いた箇所があるのを思い出して思わず笑いが込み上げてくる。ワシントンでも大雪で交通障害が起きているようだ。夏になると話題になる地球温暖化は一体どこへ行ったのだろうか。
今日はほとんど書斎で評伝執筆にかかりっきりだった。依頼者の注文も段々細かくなってきたので、それを受け入れ、自然体でさりげなく人間性を真摯に表現するように文章化するのは中々難しい。今日は写真も組み込んだコピーを途中経過としてお送りした。印刷部数が少ないと言っておられたので、それなら費用の点を考えてコピーですべて済まそうと考えていたが、単にコピーするだけだと保存性に問題があるとも考えられるので、モノクロ印刷にして印刷屋に頼んだ方が良いとも考えている。
これから依頼者の気持ちを斟酌して、できるだけ迅速に作業を進めていきたいと思う。