くどいようだが、トヨタのリコールに関する責任の取り方と対応はやはり甘い。アメリカ国内の批判に対してトヨタ自動車のトップである豊田章男社長が渡米して、アメリカ国内で充分説明して納得させるということだったが、渡米は来月上旬だという。こののろのろした対応は、一体どうしたというのか。鉄は熱い内に打てというが、クレーム対応も同じだ。この緊急事態に何を考えているのか。確かにアメリカ東部、特に首都ワシントンとニューヨークでは111年ぶりの大雪で交通は遮断され、連邦政府は今日まで4日間も休業状態だという。これでは議会筋に話をしようとしても、話し合いの場の設営が出来ないという論理も分からないわけではない。しかし、私自身の苦情処理体験から言えば、こういう時こそまず本丸である議会へ駆けつけて、ひたすら会って説明したいというジェスチャーと誠意を示すことが大切だ。情緒的ではないとされるアメリカ人だが、案外そうでない点もある。ここは、豊田社長が遠い日本から車の不始末の謝罪と説明のために、わざわざアメリカへやってきたというパフォーマンスをアメリカ国民や議会関係者の前で示すことによって彼らの気持ちも少しずつクールダウンしてくるのではないかと思っている。その点で豊田社長の行動は少々のんびりし過ぎていやしないだろうか。
一方、バンクーバー・オリンピック開催を目前にして相変わらず現地では雪が積もらず、関係者をやきもきさせている。東海岸では大雪、西海岸では桜も見られるという異常気象には、つい1ヶ月前のハイチ大地震も関連づけてしまう。
ハイチ政府の発表によれば、大地震の犠牲者は少なくとも23万人だという。なお、犠牲者の数は増えそうなので、近年稀な大災害ということになりそうだ。今朝の朝日新聞によると、ハイチでは災害にも貧富の差により明暗が生じているという。同じ首都ポルトープランスに住む裕福層と貧困層の間でも打撃は大きく異なる。市内中心部は政府関係の建物を含めて壊滅的な損壊状態だが、同じ首都でも富裕層の住む高台は地盤が固いせいでそれほど破壊されていないという。スーパーには品物が溢れ、贅沢品も陳列され、ガソリン・スタンドではガソリンを切らしたことはないらしい。同じ市内の貧困層の住む地域が徹底的に破壊されているのと比べて対照的である。
世の中というのは不条理のめぐり合わせである。恵まれた者は大して辛い体験なしに人生をぬくぬくと生き、貧しい人は徹底的に痛めつくされて、死と背中合わせの内に人生を終える。この不釣合いを解消するのが、政治のひとつの役割だと思うが、今の政治家は自分自身の欲得のためにしか仕事をしないように見受けられる。
特に、今日保釈中の民主党の国会議員石川知裕氏の離党に関する小沢民主党幹事長の記者会見ぶりを見ていると、日本の政治には良識はないと悲観せざるを得ない。まったくお先真っ暗である。
午後から孫のヤマハのエレクトーン発表会があると息子夫婦から知らせがあったので、寒い中を妻ともども横浜の関内ホールへ出かけた。小学生も高学年生あたりになると難しい曲をアンサンブルで中々聞かせるものだと感心して帰る。夕食をともにしたが、やはり少々疲れる。
それにしても今年も建国記念日に関するメディアの報道が、私の知る限りまったくなかった。右翼も騒がず、日本遺族会も靖国神社も音なしの構えだ。神武天皇も影が薄くなったということか。