1006.2010年2月13日(土) バンクーバー・オリンピック開会式

 バンクーバー冬季オリンピック開会式が行われ、NHKでは午前中からずっと中継放送をしていた。ところが不思議なもので、すでにジャンプ競技の予選はその前に始まっていた。あまり式典の日時に囚われないようなら、パロディのようだが、一度思い切って最初に閉会式を、最後の日に開会式をやってみたらどうなるか。

 オリンピック開会式としては史上初めて屋内で開かれた。屋内開催のメリットは当然想定していたと思うが、屋外に比べてスポーツの祭典というイメージがやや弱い。デメリットの面では、消費電力はこのエコ時代の中でバカにならないのではないか。

 開会式の印象としては、派手なパフォーマンスばかり続いたが、あまりにも開催国・カナダ建国史の宣伝臭が強く、「先住民との融合」を訴えるにしても些か鼻についた。カナダも自己主張の強い中国に近づいてきたなと感じた。折角82ケ国・地域、86種目、2,600人が参加する冬季オリンピック史上最多の大会であり、世界平和の象徴でもあり、その祭典だと思うので、もう少し鳩山首相好みの世界の「友愛」とか、国際「平和」のイメージを演出出来なかったものだろうか。

 日本選手団の行動に、昨日からちょっとしたトラブルがあったようだ。ハーフ・パイプの国母和宏選手がユニフォームのふしだらな着こなしをしていたことで日本代表団の品位を落としたとされ、一時は全日本スキー連盟も出場辞退を考えさせていたようだ。最終的に橋本聖子団長の判断で出場させることになったが、どうもハーフ・パイプの選手の言動は、前大会の成田童夢選手も顰蹙を買っていた。国母選手は反省したフリをした会見でも、言葉遣いや態度がまた非難を増幅させていた。新興スポーツの選手の中にありがちだが、自分は国家を代表する選手であるとの自覚がやや足りないようだ。「個性的」を自分の思う通り何をやっても許されると勘違いしている節がある。だが、この場合高砂親方の横綱朝青龍に対する指導がなっていなかったように、国母選手の場合もコーチや周囲の関係者の指導、教育が徹底していなかったのではないだろうか。

 これから2週間余りバンクーバー周辺の室内外で技と力の競い合いが行われる。日本選手団は過去最高の成績だった長野大会を上回るメダル獲得を目指している。果たしてそう思惑通り行くかどうか、がんばって欲しいものである。

 さて、午後になって知研・秋田事務局長から緊急の電話があり、「知の現場」で野村正樹氏を取材した執筆原稿の中に、「作家・最相葉月氏から鉄道には『f分の1ゆらぎ』があると聞いた」の表現について、最相氏自身から自分はそう話したことはないので、その箇所を取り消して欲しいと申し出があったと知らせてくれた。

 ロマンスカー内で取材した時に、私自身野村氏から確かにそのように聞いたし、推敲の折り野村氏もその箇所については話題にもならなかったし、修正もしなかった。念のためにもう一度DVDを観てみたら、野村氏がやはりそのように話していたことが確認出来た。

 「f分の1ゆらぎ」については、武者利光・東京工大名誉教授が「ゆらぎの発想」(NHK出版刊)で詳しく書いていると聞いたので、早速自宅近くの目黒区立八雲中央図書館から同書を借り出して調べてみると、確かに鉄道には「f分の1ゆらぎ」があって心地よくなり眠くなると書いてある。東洋経済新報社が近いうちに「知の現場」重版を発行するに際して、最相氏の申し出に添って訂正する必要があると言っている。野村氏は生憎入院中だったが、氏へ宛てて私の考えと代案も提示して、どのように文章を書き換えたら良いかお伺いを立てるFAXを送った。野村氏からどういう回答が送られてくるか分からないが、野村氏が他の人の発言と思い違いをしている可能性が高いので、今のところ最相氏の言うように少なくとも削除を求めている箇所については、そのように書き直そうと考えている。

2010年2月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com