1033.2010年3月12日(金) 明らかになった新たな外交密約

 昨日茨城空港が開港した。国内で98番目の空港である。せっかく開港したのに、韓国のアシアナ航空がソウル往復便を1日1便飛ばし、来月以降スカイマーク航空が神戸へ1日1便運行するだけという、ささやかな利用状況である。開港の記念祝賀行事も心なしか控え目で、国際空港であるのに航空行政の長である前原国交相も出席せず、寂しさの漂う開港風景となった。利用者の需要予測は、当初年間約81万人を計上したが、現在の試算では大幅に下方修正され17万人弱と見られている。黒字化のメドはまず立ちそうもない。

 現存する空港のうち、黒字で運営されているのはほんの僅かであるが、赤字経営の空港を抱えているにも拘わらず、問題なのは国交省所管の27公益法人のうち、天下りを受け入れている20法人の資産が290億円もあることである。現場は赤字であるが、その寄生虫が黒字というのではどうにも納得できない。

 空港の経営が赤字で多額の税金が投入されているにも拘わらず、法人はカネを溜め込み、天下りを養い、空港利権を思うがまま利用している。こういう自分たちの歪んだ特権を守るようなムダを続けているようでは、いくらカネがあっても有効なカネの使い方とは言えず、どぶへ捨てるようなものである。4月下旬に予定されている事業仕分け第2弾で、厳しく精査してムダなシステムと費用はカットしてほしいものである。

 今日また、新たな日米間の外交密約が明らかになった。これまで話題にもならなかった沖縄返還直前の円とUS$の貨幣の切り替えの際、沖縄で収受した1億ドル分のUS$をニューヨーク連銀に無利子で預けていたそうである。その利子分該当額がアメリカに流れていたことになる。夕方記者会見した菅副総理・財務相は、広義の密約だと思うなどとあまり深刻な顔をしていなかったが、冗談じゃない。約100億円を27年間も銀行へ預けていたらいくら利子がつくと思っているのだろうか。その運用益は約7千万$(約70億円)にも上がっているという。こういうところにも関係者だけが個人的な打算で貸借勘定を考えていた節があると勘ぐらざるを得ない。それに今回の密約が明らかになった背景にはアメリカ側の文書公開があって、日本側では肝心なオリジナルの公文書が紛失していたというのもおかしな話である。意図的であるか否かを問わず、国民を舐めきった無責任行政を行うのが、日本の役人らしいところと言えば言えるのかも知れない。

 さて、最近マナーの悪さで評判の悪い「撮り鉄」が、JR上野駅とJR金沢駅に群がった。明日から新ダイヤに変わるので、今夜がラストランになる急行「能登」と寝台特急「北陸」の写真を撮りに集まった鉄道ファンである。毎度人騒がせな鉄道ファンの対応には、鉄道各社でも頭を痛めている。

 また、首都圏で最後まで残っていた両国駅と千葉駅を結ぶ「新聞電車」も最後となった。今では、トラック輸送に切り替わったが、思い起こせば昭和38年~39年に見習い駅員を務めていた時、私も新聞列車の取り扱いをやったことがある。夜中に重い新聞梱包を投げながら方面別に仕分けして腰を傷めていた先輩も大分いた。もう半世紀近くも前のことだが、随分感慨深い。

2010年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com