3169.2016年1月16日(土) 台湾総統選で民進党8年ぶりに政権奪還

 台湾総統選の投票が今日行われ、即日開票の結果最大野党・民進党の蔡英文主席が与党・国民党の朱立倫主席を大差で破り、8年ぶりに政権を奪還した。蔡主席は初の女性総統である。同時に行われた立法院選挙でも民進党が大きく票を伸ばし、単独過半数を獲得した。国民党の馬英九政権がこの8年間に中国へ接近し、その結果この数年中国経済の発展、進出により、台湾経済界はすっかり中国経済にやられてしまった。中国からの観光客も増えた半面、貿易面で中国に圧倒され、企業の倒産も相次いでいた。このまま中国に呑みこまれたら自分たち台湾人としての存在感が失われるとの危機感があった。

 そこへ最近香港における香港の中国返還時の約束だった「1国2制度」が、少しずつ形骸化して香港の自由は悉く中国共産党に封殺されている実態を目の当たりにした台湾人が将来に不安を憶え、自分たちの国は台湾であるとはっきりと主張し始めた。実際かつては台湾の人々は、自分たちは「中国人」との意識が強かったが、今では自らを「台湾人」と主張している。

 これが選挙前から民進党優勢のムードを作り上げ、それが現実となった。この国民党敗北を受けて今夜中国政府は、これまで通り「中国は一つ」と公言している。しかし、中国政府にとって国民党の敗北はショックだろう。

 ただ、台湾は中国と事を構える気持ちはなく、経済、政治両面で対等の関係を維持することを願っているだけだ。果たして覇権主義国家・中国が蔡主席の意向を斟酌するだろうか。当分注視する必要がある。

 さて、昨日思いも寄らずニューヨークに住むビルマ人女性からメールをいただいた。かつてビルマを度々訪れていた頃から親しくしていた旧ビルマ航空のキャビン・アテンダントだったマ・テン・チさんからである。昨年慌ただしくご主人とともに日本へ旅行することになったが、私の電話番号とメールアドレスを知らなかったので、会おうとしたが連絡が取れなかった。それらを教えて欲しいというので、昨年クリスマス・カードに書き添えてあげた。それを見て昨日メールを送ってくれたのである。

 1970年代に頻りにビルマを訪れていた当時、まだビルマでは観光受け入れ体制が充分でなく、不十分ながらもそれだけに関係者との間には温かい交流があり、彼女も同僚らとともに日本航空へ研修にやって来た。また、我々がビルマへ行くたびにホテルへ我々を訪ねてくれ親切に面倒を見てくれて、交流は長く続いていた。ビルマが厳しい軍政になってまもなく彼女はニューヨークへ渡り、そこで同じビルマ人の男性と結婚して一女を育てた。彼女は気持ちが温かいビルマ人の中でもとりわけ優しく親切で、お互いに意思が通じ合い、それ故にこそビルマ時代から今日まで交流を欠かさなかった。今では夫妻とも勤めを辞めて悠々自適の中で夫とともに趣味を楽しんでいる。一人娘はカルフォルニア大学バークレー校修士課程で学んでいるという。

 先日NPO紙にビルマ時代の思い出を書いたエッセイを寄稿したが、ビルマに対する世間の評価はどうあれ、やはりビルマは懐かしい。

2016年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com