1036.2010年3月15日(月) やっと消費税論議を始めるという。

 景気が低迷する中で、新卒者の就職活動が苦戦している。一般企業の正規雇用が減り、非正規雇用で採用された社員や派遣社員もその影響を受けて困惑している。こればかりは景気の回復がなければ好転する見通しが立たない。

 しかし、一方で雇用を抑え気味の大手企業の中にあって、採用を減らさず前年並みとか、むしろ雇用を増やしている安定した企業もある。そういう景気にあまり影響のない会社で働く人は恵まれていると思う。

 景気が悪くなれば、税収が落ちるのは当然である。2011年度の一般会計予算が過去に前例がないほどの税収不足の中で編成された。そのため税収不足を賄おうと大幅な国債発行で切り抜けようとして、将来の財政状況に暗雲をもたらしたのはつい最近のことである。税収減少の最大の原因は、法人税の減少によるものだが、このため景気に左右されない消費税をいずれ税収の柱にする考えがあるらしい。家庭事情が火の車なら、それも充分検討してしかるべきだと思う。

 しかし、民主党は総選挙を前に当面4年間は消費税を上げないと約束してしまった。鳩山政権になってからも首相は「約束は実行する」と言い続けている。他方で、財政事情は益々悪化の傾向を辿っている。この苦しい財政事情を切り抜けるために、菅副総理・財務相はついに「所得税、法人税、場合によっては消費税、環境税といった本格的な税制の議論を3月には始める」と言い出した。この苦しい財政事情なら、国民に丁寧に説明して納得を得たうえで、ある程度マニフェストの修正も已むを得まい。やっとのろまの民主党も本気になって税制論議を進めるのかと今後の議論の進め方に注目したい。

 出来ることなら3月と言わず、検討だけでももっと早くスタートすべきだった。国民に評判の良くない政策は先延ばしにして、追い詰められてから苦し紛れに行うからすべてが遅れるのだ。

 さて、鳩山首相の実弟である鳩山邦夫・元総務相が、今日自民党を離党すると発表し、党も容認するという。数日前自民党首脳部に対する不満をぶちまけ、GW前に新党を結成すると広言した。その前に与謝野馨・元経済財政相や舛添要一・元厚生労働相らも党内秩序を乱すような不穏な発言をして、政権を手放した自民党の落ち目ぶりをくっきりと映し出していたが、それにしても各党とも内部はまとまりに欠けている。

 鳩山邦夫氏はお金持ちのお坊ちゃんというイメージがぴったりだ。言うことも行うこともこれまでの言動を見ているとわがままで気分屋だなと感じる。理念も哲学もなくただ暴れまわっているという印象である。立派な政治家の家系に育ったから、世襲議員として政治家になれただけの人ではないかと思う。いくら自由な発言が許されるからと言って、昨年郵政会社問題で大臣を辞めさせられた腹いせか、言いたい放題だったあのパフォーマンスを考えても、気に食わないと八つ当たり発言を繰り返している。果たしてこういう短気で思慮分別のない人に、政治を任せて大丈夫なのかと不安が拭えない。

2010年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com