鳩山内閣の支持率低下とともに、今問題視されているのは、首相の求心力欠如と閣内不統一である。元々鳩山首相には自信のなさそうな話し方から推して、何事にも思い切った決断と指示が出来そうもない印象を与えるが、最近の首相の言動を見ていると、これが1国の総理大臣かと当惑させられたり、情けなく思うことがある。
この数日話題を提供しているのは、郵政民営化の変更案を担当大臣である亀井静香氏が閣議で了承されないうちに、外部に対して変更するがごとき発言を繰り返したことである。当然他の大臣から異論噴出である。首相の了解を取った、取らないの低次元の話になっている。特に、亀井大臣の目指すのは、①郵貯の預金上限額を1千万円から2千万円に引き上げること、②郵政事業者同士の取引に消費税を課さない、との2点である。①は民間銀行から民業を圧迫するとの抗議が出ているし、②に関しては、郵政事業だけに特別に税制優遇措置を行ってもよいものかという至極当然の疑問がある。
いずれにせよ、こんな非常識なトラブルをしょっちゅう起こしているようでは、内閣と言えないのではないか。それにしても国民新党の亀井代表が、連立内閣の一員として加わり、勝手気ままに暴れまわっている印象を与えるのは、政府としても、民主党にとっても大きなマイナスだと思うのだが、それを誰も抑えきれない。
他にも相変わらず普天間基地移設問題が迷走を続けている。漸く腹案がまとまり、アメリカと沖縄県へ提示したような様子だが、単純に解決というわけにはいくまい。しばらく迷走して、沖縄県民を怒らせて何らかのお土産をつけて解決というお定まりの結果になるのではないか。
所詮鳩山政権というのは、この程度のものだったのだろうか。
さて、2008年1月に発生した冷凍ギョーザ中毒事件の容疑者が中国捜査当局により拘束された。随分時間がかかった。幸い死者は出なかったが、千葉県と兵庫県で中毒症状を訴えた人が10人もいた。日中両国の捜査当局同士が、お互いに原因は相手国側にあると主張し対立したまま、決定的な証拠も発見されず、今日に至った。容疑者を捕まえてみれば、やっぱりそうかという感じであるが、この間日本では中国食品に対する信用はガタ落ちで、今も不信感は消えない。容疑者は、待遇に対する不満があったそうだが、こんなことで輸出食品に毒を盛られたのでは堪らない。封詰めされた食品に輸出先国で意図的に毒盛りされたと強気一辺倒な発言を繰り返してきた中国捜査当局に疑問を呈したい。それにしても誰もが納得するように、すっきりと全面解決して欲しいものである。
昨日の新聞記事で知ったが、シベリア鉄道の車窓風景がグーグル「You tube」で観られるというので、バーチャル旅行サイト(http://www.google.ru/transsib)をPCで観てみた。確かに同じポジションから車窓風景を捉えていたが、正直に言って本物の列車から見ても変化の乏しい風景なので、画像もそれほど面白いとも思えない。むしろ150時間分も観られるということに驚いた。150時間と言えば、6日分なのでモスクワからウラジオストックまでの全線9,300kmを写し出しているものと思うが、部分的に拾い出して観るようにしないととても忍耐が続かない。しかし、初めてシベリア鉄道を乗る旅行者にとってはガイダンスとして参考になると思う。