日本の財政状況が、借金漬けになり将来の日本の展望があまり明るいものでなくなっている。国家財政については、税収がぐんと減り、それに対して支出が大幅に増える逆ザヤ状態が続いているが、法人税に代わる収入としてそろそろ消費税議論を行うべき時であると思う。マニフェストで約束した消費税を4年間値上げしないという言葉にそのまま固執するなら、日本は益々借金地獄へ傾いていくことは明らかである。その場、その時点で何をなすべきかの判断は、政治家なら当然持っていて然るべき見識であると思う。
今朝の日経紙の世論調査を見てみると、消費税を上げることについて、ついに賛成46%が反対43%を上回った。2月の調査では37対50で消費税を上げることに反対の人が圧倒的に多かった。このように消費税に関する理解が変わったという事実は、国民が政府以上に国の財政を心配しているということだ。国民は納得出来る理由があるなら、マニフェスト通り実施出来ないのも已むを得ないと考えている。これは政府より国民の方が、真剣に国家財政を見ていて、このままでは日本の財政基盤は危ないと危機感を抱いているせいである。
何も言い出せず、結論も出さない鳩山首相も蛮勇を揮ってもらう時期に来ていると思う。しっかりしろ! と、のろま首相に檄を飛ばしたい。
夕方になって、モスクワ市内の2つの地下鉄駅で女性テロリストによる自爆テロが発生し、38人が亡くなったとの衝撃的なニュースが入った。朝のラッシュ時を狙ったテロのようだが、犠牲者があの地上から底深い駅構内で殺されたのかと思うと気の毒でならない。ロシアのテロ事件は、2003年のモスクワ市内の劇場を舞台にした事件、翌04年の南オセチアの学校占拠事件、昨年11月のチェチェン独立派によるモスクワ郊外の列車爆破事件、と多数の死傷者を出すテロ事件が連発している。これらの事件には、プーチン首相が大統領時代から民族独立派やイスラム過激派を弾圧している強権政治が、テロリストの不安感を煽っている背景がある。
そのモスクワ地下鉄に私が乗車した時の印象から言えば、このように外部から持ち込まれたテロもさることながら、この地下鉄には事故発生の危険性が常に付いて回るような気がしてならない。まだ、大きな事故として報道されてはいないが、実際には日頃から小さな事故は頻発しているのではないかと思っている。
例えば、地上から駅プラットフォームへ下るエスカレーターのスピードが速すぎて、多くの老人がエレベーターから降りる時に転倒した姿を何度か目撃している。また、地下鉄車両ドア閉鎖時の恐ろしいほどの勢いには、手を挟まれたら砕けてしまうのではないかと恐怖感すら感じた。大きく報道こそされていないが、テロには敏感だが、日常の駅構内の安全管理には案外神経が行き届いていない。事故が日常茶飯事でテロを報道する以上に地下鉄当局は、自社の施設の安全管理に留意して、事故を絶滅する気持ちと対応に万全を期す必要があるのではないかと思った。余計なお節介かも知れないが、モスクワ地下鉄の事故と聞いて、咄嗟にあの危なっかしい地下鉄を思い浮かべた。