常識のない国会議員が出てきたのは今に始まったことではないが、それにしてもあまりの低レベルなパフォーマンスには開いた口が塞がらない。自民党の若林正俊・参議院議員がやらかした椿事である。考えようによっては純真な人なのかも知れないが、子どもの遊びのようなことをやった。
一昨日の参議院本会議で法案採決の際、自分の投票の他に、隣席の青木幹雄・元自民党参議院議員会長の投票ボタンも押した。罪は遥かに重いが、大学生がよくやる一種の代返である。青木氏は途中退席したにも拘わらず、青木氏が投票したことになっている。だしにされた青木氏も呆れている。こういうことをやって、仮に法律が通ったとしたら由々しき事態である。
非難の集中攻撃で四面楚歌となった若林議員は、今日議員辞職を申し出た。当然のことであるが、この人は以前から何かと話題の多い人だった。世を騒がせた政治規正法違反が2度、加えて別の意味でも話題を提供した。農水省出身の官僚上がりで農政族と言われ度々大臣を務めたが、3ヶ月余りの間に臨時代理を含めて3度も農水大臣になった珍しい経歴の持ち主である。大臣が突然辞職すると急遽リリーフに借り出されるので、かつて「困った時の若林」とも揶揄されていた。自民党内で内部批判が相次ぎ残り少ない任期を残して議員辞職を選択せざるを得なくなった。もっとも現在75歳で、今期限りでの引退を伝えられていた。
こういう常識のない議員のいる自民党では、先日の党首討論で谷垣総裁が攻めの質問を行ったが反転攻勢とはならず、相変わらず党内がもめている。すでに自民党を離党している無所属の平沼赳夫・元経産相が、昨日新党結成を考えているとほのめかしたが、今日与謝野馨・元経済金融担当相が離党の意向を漏らした。民主党もガタガタだが、それを追い詰めなければならない自民党もお家騒動でぼろぼろである。
さて、先日何気なく「弁護士Barl-Karthによるpeace-loving日記」というある弁護士のブログ(http://d.hatena.ne.jp/Barl-Karth/20091102)を見ていたら、葉山岳夫弁護士について書かれていた。60年安保闘争、70年学園紛争以来関心を持っていた学生運動のリーダーのひとりである。ところがそのブログに、学生時代葉山弁護士とともに逮捕された清水丈夫さんについて書かれた興味深い記事を見つけたとして、私が高校ラグビー部の1年先輩だった清水丈夫さんについて書いた2007.10.05.付本稿「元全学連書記長・清水丈夫さんの思い出」を挙げている。図らずも著名な弁護士さんに興味と関心を持っていただけたのは光栄である。清水さんは今もって表へ出て来られないが、連絡すればこちらの情報は伝えられるルートは分かったので、いつかは個人的な情報を伝えたいと思っている。
今年60年安保から半世紀が経過した。