オバマ大統領が中期的な核政策の指針、核戦略見直しを発表した。ふたつほど大きなポイントがある。ひとつは、アメリカは核不拡散条約加盟国で核不拡散条約を遵守する非核保有国に対しては核攻撃をしないということと、もうひとつは新たな核弾頭開発をしないということである。
昨年4月8日にオバマ大統領がチェコ・プラハで将来の核廃絶「核なき世界」を目指すとのスピーチを行った。それを国際社会は高く評価し、一斉に歓迎し、大いに期待した。それが、昨年オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した大きな理由となった。ノーベル賞委員会は、平和に対して確たる実績のないオバマ大統領に、敢えてノーベル平和賞を授与することにより、平和への貢献を無言のうちに望んでいたのである。今日のスピーチは取り敢えずオバマ大統領のひとつの理念と構想を発表する形となった。
しかし、戦争なんて相手国に先制攻撃をかけることにより優位に立つことが出来る。過去の戦争を見てみても相手国を出し抜くことで戦われてきた例は数限りなくある。核保有国も非核保有国も、果たしてどこまでオバマ・ステートメントを信用し、また先制攻撃をかけないと言えるだろうか。理想がどこまで現実の世界で実現出来るか。それでもなおオバマ大統領の心意気は大いに善しとしたい。今後もオバマ大統領の行動を注目して見てみたい。
さて、案の定というべきか、新党結成を目論んで自民党を離党した与謝野馨氏らの行動に対して、メディアの評価は厳しい。取り敢えず意思を表明した議員が4人である。あと1人が参加して党員5人にならなければ政党助成法の対象にはならない。しかも4人の平均年齢が69歳とやや高齢で、フレッシュな若者の出現が望まれている現状ではあまり評判がよろしくない。母校の先輩である石原慎太郎・東京都知事がバックアップしているようだが、ムード的にも新党発足時に漂う清新さとかエネルギーのような、新しい政治を起こすという期待感とか、わくわくするような高揚感のようなイメージが湧いてこない。それに政策的にもただ民主党を倒すためと言っているが、具体的な政策とかビジョンを明確に打ち出さないことも彼らの目指す目的が明確に伝わらない原因だろう。
幸いにして72歳でやや年齢が高いが、中川義雄参議院議員が自民党を離党して新党への参加を示唆している。これで取り敢えず政党助成法の成立要件を満たすこは出来そうだ。さらに石原都知事が新党を「たちあがれ日本」と命名した。漸く党としての形が出来て出発出来ることになりそうだ。
それにしても、これまでの経緯を見ていると政党を新たに立ち上げるというのは、如何に大変であるかと想像出来る。これだけの大物が寄り集まっても中々同士を集められない。ずばり言えば、リーダーである与謝野氏と平沼氏にかつての魅力がなくなったからだろう。