1065.2010年4月13日(火) わが国の前途に光明が見えない。

 アメリカのオバマ大統領のお声掛かりによってワシントンで核安全サミット‘NUCLEAR SECURITY SUMMIT’が開催され、日本からも鳩山首相が出席した。核不拡散から最終的にはオバマ大統領の宣言通り核廃絶を目指しているが、各国の思惑に左右されそうな様子で、ことは簡単にはいかない。この会議の一番の目標は、テロリストに小さな核でも手に入れさせないようにすることである。‘Dirty bomb’といわれる核燃料のチリやゴミを含めてのことである。

 それにしても鳩山首相のこの会議における影の薄さはあまりにも情けない。まるで幽霊である。核の安全に関する国際会議で、唯一の被爆国という切り札がある日本の存在があまり顧みられないのはどういうことだろうか。首相だけではなく、外務省の事務方にも問題があるのではないか。

 国際的な評価という点でこんな有様だから、国内的な評価は推して知るべしである。このところ鳩山民主党政権に対する世論の支持が下がりっ放しで、大体各メディアの世論調査でも支持率が30%前後にまで落ちている。これも最近の国際社会における日本の薄い存在感と軌を一にしているのではないか。発足当初は、70%にも達していたのが、その正反対となり、支持しない人も増える一方である。

 民主主義の原則として政権は国民の支持によって支えられていることは言わずもがなである。民主党政権が信頼を失ったとするなら、その対立軸にある自民党が上昇気流に乗るかと思いきや、この党は「伝統」の内部紛争が表面化して一向に支持率が上がらず、民主党と轡を並べて地盤沈下している。結果的に無党派層と称せられる人たちの数が増え、今ではどの調査をみても無党派層が全体の1/3を占める状態である。

 しかし、意見がない人たちが全体の1/3もいることは異常な事態だと言わざるを得ない。国家の政策も戦略もその都度、意見を持たない人びとに尋ねるということになる。これでは国家百年の計なぞ確立しようがないではないか。

 こういう無党派層が増える中で、新たな息吹として新しい政党の誕生が待たれるところだが、先日結党した「立ちあがれ日本」には、あまり好意的な賛同意見が寄せられていない。「反民主党」「非自民党」と打ち出した点が、孤高の存在感を示したが、こういう戦法だと賛否両論の決着をつける際に、キャスティングボードを握ることが出来ないのではないか。それが、ひとつ国民からあまり期待を寄せられない原因ではないだろうか。それに、中心人物の与謝野馨氏と平沼赳夫氏の郵政民主化に対する考え方が正反対であり、それが不満分子の寄せ集め集団と見られ、国民から信頼されない最大の原因なのではないだろうか。

 国内的にも国際的にもわが国の前途には一向に光が見えない。

2010年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com