先日外務省外交密約文書問題で、東京地裁は外務省の文書紛失に関して、その紛失を認めず、探して情報公開せよとの判決を下し、原告が完全勝訴した形となった。原告である西山太吉さんの執念が実り、一段落したと思っていたところ、一昨日になって外務省はこの判定に不満を示し控訴した。見つからない書類を公開しろというのは無理な話で、判決には承服出来ないとの言い分である。
この判決を世間は高く評価していたので、まさか国が控訴するとは思いもよらなかった。しかし、外務省は敢えて控訴に踏み切ったのである。原告団の一員に加わっていた小中陽太郎さんが、外務省の控訴がないよう願って中日新聞名古屋本社版にその思いを寄稿されたが、小中さんからわざわざそのコピーをメールで送って下さった。小中さんたち原告団の思いは報われず、外務省は控訴した。これからどういう経過を辿るか何とも言えないが、落ち度は外務省にあることははっきりしている。密約あり、肝心の書類を紛失したりで結論は分っているが、これからも無駄な時間と費用がかかると思うと原告団にとってはいたたまれないだろう。
さて、まもなく上海万博が開催される。万博事務局はトラブルのないよう、予行演習を何度も繰り返して万全を期している。最近の中国を見ているといろいろ懸念されることが多い。すでに予行演習でも入口で押し合いへし合いだった。それより万博PR曲が日本のシンガー・ソングライターの岡本真夜の「そのままの君でいて」をパクったと事務局に苦情が寄せられた。どうやら本当らしく、今事務局と岡本側との間で話し合いが行われている。その他にも、中国のパビリオンがかつて日本館として展示されたパビリオンに似ているのではないかとか、万博マスコット人形がアメリカ製マスコットと酷似しているのではとの指摘があったり、これからもひともんちゃくありそうだ。
全体の入場者数を過去最高の大阪万博を追い越す7千万人を予想しているようだ。せいぜい半年間の開催期間中事故を起こさないよう無事に所期の目的を果たすことを祈るばかりである。