幸福度というあまり聞きなれない言葉があるが、一昨日内閣府が日本人の幸福度というものを発表した。10点満点で6.5点だそうである。幸福度なんて基準が必ずしも明確ではないし、人によって感じ方も判断の尺度も異なるので比較は難しい。日本の幸福度は、無作為の15歳から80歳までの4千人を対象にしたものである。これに対して一昨年のヨーロッパ28カ国の幸福度の平均は6.9点だったいう。
幸福というのは、主観的なもので外からあまり数字で推し量るものではないと思う。今わが国では、幸福度を左右する象徴として高齢化、年金、子育て、教育、治安等々の問題が考えられるので、現況からみて余計に幸福度が低下する傾向にある。日本とヨーロッパ間の幸福度の差が実際にどの程度のものなのか何とも言えないが、今夕NHKニュースで報道していた、一見貧しいブータン国の国民が感じる幸福度が97%というのには些か考えさせられた。GDPの比較だけなら、ブータンは日本の1/20程度である。しかし、彼らは言う。幸せとは近所付き合い、家族との語り合い、仲良く暮らすこと、などと言っているのを観ていると、現在の日本から消えつつある情景であるだけに、経済が発展するにつれ、人びとの情感や幸せな気持ちが薄れていくということを表しているのではないか。
さて、普天間基地移設問題がデッドロックに乗り上げて、結論を出す期限があと1ヶ月後に迫ってきた。だが、のらりくらりの政府が固めたとされる腹案はまだ公表されていない。国民の心配をよそに期限内に解決する兆しはまったく見えない。
今朝の朝日新聞によると大体固まりそうな案として、鹿児島県徳之島に普天間のヘリ部隊の一部、1,000人を移し、更に辺野古に桟橋を作って滑走路を建設する分離方式を考えているらしい。これは元々アメリカが同意する気がない徳之島への海兵隊移設問題である。仮に沖縄案を強引に押し進めても、日米間の話し合いは紛糾し、まとまらないのではないか。
それにしても、今頃になって社民党の福島瑞穂・社民党党首がテニアン案を主張し出したのには開いた口が塞がらない。テニアンもサイパンも受け入れを歓迎すると日本側に伝えていたのは、もう大分前の話だ。今頃になって窮地に追い詰められて、突然のように言い出すから余計にややこしくなる。民主党もダメなら連携している国民新党や社民党も話にならない。一体このていたらくでは落としどころをどこに見出そうと言うのだろうか。