発言がぶれるうえに実行力がない、我らが鳩山由紀夫・総理大臣が驚くなかれ、アメリカの週刊誌「TIME」5月10日特別号で「世界で最も影響力のある100人」の指導者25人のひとりに選ばれた。先日の核安全サミットに出席した各国首脳の中で最大の敗北者とワシントン・ポスト紙から酷評された同一人物とはとても思えない持ち上げ方である。アメリカのマス・メディアも少々辛口が過ぎたと思ったのか、「対等な日米関係」「政治の主導」などは達成出来ていないが、「事実上、1党支配だった国から民主主義が機能する国に変えたことはほめる理由として十分」という首相にとっては、漁夫の利のような理由で選ばれた。結局は鳩山首相の実績や期待度を評価したわけではなく、「CHANE」を選択した日本国民の行動を賞賛したものだ。鳩山首相もこんな理由では、気恥ずかしくてあまり話題にされたくないのではないだろうか。
その鳩山首相が4日に沖縄入りするという。果たして四面楚歌の中で気の弱い首相が、したたかな現地の首長らを相手に言いたいことを言うことが出来るだろうか。
さて、先日ギリシャ政府がEUとIMFに緊急支援を要請したが、ギリシャの返済能力が疑問視され、中々色よい回答をもらえなかった。EUとIMFは、ギリシャ政府に①全労働人口の25%を占める公務員数と給与の削減、②年3回の賞与の廃止、の条件を付けたうえで、支援することをほぼ承認することになった。これでヨーロッパの信用不安が少しでも消せればよいが、スペインとポルトガルの格付けも下がっているので、いつ他国へ飛び火するか分らない。
一昨年駒沢大学・マスコミ研究所主催の公開講座を受講したが、その講座のうち「報道メディア論」を講義された片山正彦講師から、近刊書「ここに記者あり!」(岩波書店刊)を送っていただいた。帯表紙に原寿雄氏が推薦文を書いておられる。同年この原氏の岩波市民講座も受講したが、お2人とも共同通信社出身なので、師弟関係というご縁だと思う。その主人公記者というのは寡聞にして知らなかったが、村岡博人という共同通信社記者で、生涯現場記者として記事を書き続けた。驚いたのは、村岡がサッカー元日本代表のゴールキーパーで、ロッキード事件の刑事被告人だった佐藤孝行代議士に殴られたり、ソ連のスパイから濡れ衣を着せられたこともあるという。中々気骨のある人のようだ。
GW中に楽しみに読んでみようと思っている。