今日上海万博が開幕した。これから10月一杯向う半年間開催される。北京オリンピックに次いで、中国政府はこの上海万博を国威発揚の絶好の場と捉え、全力を注いで246ヶ国・地域が参加する過去最大規模の万博にしようと目論んでいる。1970年の大阪万博では、幸い仕事上何度も訪れる機会があり、人気のアメリカ館やソ連館を長い間並んで月の石を見たことも懐かしい思い出である。その他にも大阪の花博や、つくばの科学万博を訪れたことも記憶に残っている。
これから当分上海から発信されるニュースがメディアを忙しなくさせることだろう。とにかく最近では国際的なニュースの発信源として、中国の存在感は圧倒的なパワーを与え続けている。NHKドキュメンタリー番組のアーカイブスの中でもかつての人民中国の懐かしい映像をいろいろな角度から放映しているが、観てみたい番組も多く、気がつくと録画しては改めて観賞している。中でも文化大革命が始まった1966年から76年までの中国史は興味深かった。
今や世界中が中国に振り回され、中国の同意なしにはことが進まないキライすらある。それは1にも2にも、その成長著しい経済力に負うところが大きいが、中華思想に捉われた中国は、自らの立場を有利に持ち込もうとして、少なからず国際社会と摩擦を引き起こし、外から顰蹙を買っているのも事実である。
今日の夕刊をみても、万博以外に中国を主題とした記事として、①知的財産権保護、②南太平洋のカツオ漁、について中国のやり方に対して批判的な内容が掲載されている。他にも最近中国海軍艦艇が公海とはいえ、八重山諸島の間を堂々と通過したり、何かと話題を提供することが多くなった。
その中でも①については、アメリカ通商代表部(USTR)が年次報告書で、知的財産権保護が不充分な「優先監視国」として、中国、ロシア、インド、カナダなど11カ国を指定した。これら11カ国は昨年も優先監視国だった。
これらの国々は、これまでは違法な模倣品の横行などに焦点が当てられていたが、今後は中国などが、海外の技術を模倣し国産化することにUSTRは神経を尖らせている。巧妙な手口で模倣を模倣と思わせないテクニックに目が注がれる。中国政府はことあるごとに知的財産権の保護には国を挙げて注意を払っていると口では言っているが、キャラクター商品の模倣品や、今回の上海万博のPR曲のパクリなどを見ていると、物真似は中国の体質だとしか思えないので直ぐになくなることはないだろう。