1088.2010年5月6日(木) ギリシャが危ない。

 先EUとIMFが、ギリシャに対して厳しい条件をつけたうえで約14兆円の緊急融資を決定したが、ギリシャ政府が呑んだ条件をギリシャ国民が納得せず、昨日激しいデモ騒動を引き起こし3人の死者を出した。

 テレビを観ると1999年とその翌年にも宿泊したことがある「ホテル・グランドブリターニュ」脇の王宮前で騒ぎを起こしている。これから相当の負担をしなければならないギリシャ国民の心情も分らないわけではないが、労働者に対する甘い待遇と年間10兆円と言われる脱税がギリシャ財政赤字の最大の原因である。ギリシャの累積赤字は実に33兆円である。こんな待ったなしの破綻状態に追い込んだのは、ほかならぬギリシャ政府と政府の施策に甘えた彼ら自身の責任でもある。ギリシャ人が自らまいた種ではないか。特に、今回の支援に対しては同じEU圏内諸国の中でもドイツが最後まで反対していた。仮にギリシャ政府が国民の要求に屈したら、EU諸国が黙ってはいないだろう。現在ギリシャの国債がEU諸国の銀行に買われているので、ギリシャが破産したら、連鎖して銀行が窮地に追い詰められ、また他の国に財政破綻の恐れが生じてくる。

 それでなくてもポルトガル、スペイン、アイスランド、イタリア辺りも怪しい雲行きとなってきた。前2国はすでに国家の格付けが下げられている。さらにもう1段階下げられるとの噂もある。ヨーロッパ全体に連鎖的な恐慌の不安が襲ってくるかも知れない。

 ソクラテス、アリストテレス、プラトンの3賢人らを輩出した長い歴史と伝統を誇るお国柄であるが、甘い蜜ばかり吸っていたギリシャ丸もエーゲ海を漂流し始めた。荒波の中で沈没しないか心配になってきた。

 案の定今日の日経平均株価は、3月11日以来の大幅な下落となり、361円も下げて終値は10,695円にまで落ち込んだ。NYを始め、各国の株式相場もみな大幅な下落である。漸く景気も立ち直りかけてきたと囁かれる中で、暗い話題が再び襲ってきそうである。

 さて、1日に開幕した上海万博の出足は上々の様子だったが、意外にも短期間ながら入場者数は予定していたほど伸びないようだ。その中で昨日になって北朝鮮館が突然閉館した。毎度周囲を煙に巻くのが当たり前の国ではあるが、これには流石に上海の万博事務局も呆気にとられているようだ。察するところ昨日北京入りした、金正日総書記のお世話に万博北朝鮮館のスタッフが借り出されたのではないかとの憶測が乱れ飛んでいる。いずれ真相は判明するだろうが、相変わらず北朝鮮という国は人騒がせな国である。

2010年5月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com