ついにと言うべきか、やはりと言うべきか、鳩山首相が退陣することに決まった。今朝からテレビは大々的に報道し、各地で号外も出たようだ。
朝日の夕刊はベタ白「鳩山首相退陣」で、日経も「鳩山首相退陣表明」でほぼ同じ扱いであり、トップの見出しは両紙とも「小沢幹事長も辞任」でまったく同じである。各紙とも論調はほとんど同じで、その原因は普天間基地移設問題の無様な結論と政治とカネの問題である。
昨日から様子が急に変わったので、何か動きがあるとは感じていたが、余りにも唐突だった。だが、本ブログでも度々書いたが、鳩山首相は1国を率いていくリーダーの資質を欠いていたことは間違いない。今日辞任を表明した挨拶の中で、「政権与党の仕事に国民が徐々に聞く耳を持たなくなってきた」という恨み節を述べていたが、何をバカなことを言っているのかと思う。この人は自分がやってきたことに反省の気持ちがまったくないようだ。国民が聞く耳を持たなくなったのは、なぜか。首相自身が軽率な発言で実行力が伴わず、挙句の果てに裏切り行為をやったからではないか。その点を国民が糾弾しているのではないか。思い違いも甚だしい。引かれ者の小唄のようなことばかり言うのは、自分の業績に自信がないからではないか。首相の座ばかりか、この人は政治家としてもやっていける資質がないのではないかと思う。
こういう無能な人を最高位まで上り詰めさせたのは、政治制度と選挙制度にも問題がある。一時は、世襲制についてかなり疑義が出て、世襲政治家の芽を摘むような制度が出てくるかと思いきや、いつのまにか萎んでしまった。
結局首相にしろ、幹事長にしろ、政党内の有力者の間に多くの世襲政治家がいる以上、締め付けを覚悟のうえで大胆不敵な世襲決別案を考え、国民が納得のいく世襲議員を誕生させない法案を編み出さなければ、馬鹿な世襲政治家は失くせないのではないか。
明後日民主党新代表が決まり、鳩山内閣が総辞職して、衆参本会議で首相指名選挙を行い、来週初めには新首相が所信表明演説を行う。問題はその後の参議院選挙である。今回鳩山、小沢が辞任したのは、この2人が看板になっていては選挙に勝てないとの計算が働いたからである。昨日から、新制度・子ども手当ての支給が始まった。今月下旬にはカナダでサミットG8が開かれる。この難局をへなへな民主党で乗り切っていけるのか。
次の代表、つまり新首相候補として菅副総理が名乗りをあげた。