菅直人副総理が今日の民主党代表選挙で代表に選出され、その後衆参本会議の首相指名選挙で、第94代、61人目の総理大臣に指名された。一昨日鳩山前首相辞任以来の動きから落ち着くべき人に落ち着いたというのが世間の見方だろう。
今日の代表選で菅氏は昨日唐突に出馬宣言した樽床伸二氏に圧勝した。問題はこれからである。アメリカ政府は時差の関係もあり、正式なコメントを発表していないが、ABCは過去21年間で15人目の首相であるが、薬害エイズ問題を解決して国民の人気を得たとか、久しぶりに世襲政治家でない首相が選出されたとアナウンスした。明日アメリカ政府がどんなコメントを述べるか注目してみたい。
今朝からテレビでは民主党代表選やら、その後の専門家の分析などがあったが、首を傾げるマス・メディアの取材コーナーがあった。かねてから目立ちたがり屋の噂のあった菅直人夫人伸子さんへのインタビューである。代表選で選出された直後に自分をファースト・レディと呼ばないで欲しいだの、「首相夫人」と呼んでもらいたいだの、まだ国会で総理大臣に指名されていない内から、すでに呼んでもらいたい「首相夫人」の気持ちになってしまっている。「首相夫人」としてやる気満々である。自分が総理大臣になったわけではなく、「首相夫人」になったのだということを自覚して亭主を補佐する行動をするべきではないだろうか。言っても分らない人だろうが、鳩山幸夫人にしろ、菅伸子夫人にしろ、良きパートナーとして亭主を支える役割をきちんと果たすならともかく、亭主を差し置いてあんまり派手なパフォーマンスで注目を集めるようなことは傍から見て見苦しいのでやめてもらいたいものである。
当面内閣閣僚の任命と組閣を8日以後に延ばすという。従って認証式もそれまで行わない。それなら、代表選ももう少し時間を置けば良かったのではないかと思う。戦略か作戦があるのか、中々電光石火とはいかないものだ。菅首相が小沢一郎氏にはしばらく静かにして欲しいと公言したことが、政界に波紋を呼んでいる。幹事長として絶大な権力を誇っていた小沢氏をやりにくいからと言って、隠居同然に処することが果たして出来るだろうか。やり遂げれば菅氏の評価はさらに上がるだろう。
菅発言は小沢陣営にどんな衝撃を与えただろうか。現在のところ菅氏の周辺には、小沢氏と距離を置く人が動いているが、彼らが組閣と民主党役員人事の中心になるようだと、自民党の年中行事だった民主党内の抗争に発展する可能性がある。
まだ、沈黙を続けている小沢氏が、今後自分たちの処遇を巡ってどういう行動に出てくるか。波乱含みの新政権の船出ではある。
ところで、今日は21年前天安門事件が発生した日である。あの時北京大学反体制派学生で事件の中心人物として中国政府から追われ、アメリカに亡命して現在台湾に在住しているウアルガイシ氏が、麻布の中国大使館に正門から飛び込もうとして警戒中の警官隊に取り押さえられ、逮捕された。ウアルガイシ氏が秘かに訪日中であるとは知らなかった。しかし、中国がマークしている人物のこんな行動で外交問題に発展しなければ良いがと思う。