1120.2010年6月7日(月) 外務官僚の狭量にがっかり

 国際経済が先行き不透明になり、特にヨーロッパ市場ではギリシャの経済破綻、アイルランド、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの景気低迷でお先真っ暗という状況である。そこへ新たにハンガリーの財政不安が囁かれ出した。ハンガリーはEU非加盟国であるが、アメリカの先行き不透明感もあって世界的な株価下落となってしまった。今年3月以降日経平均は下りっぱなしで、11,000円台だったのが、今日は9,500円台にまで下がってしまった。日経平均株価も今年に入って最大の下げ幅で対前日380円安である。景気は回復傾向に向かっているとの報道が多いが、この様子だと一体いつ景気のよい話が聞かれるのだろうか。

 菅新首相の下で新閣僚と民主党人事が決められつつある。明日認証式を行うようだが、まだ農林水産大臣が決まらない。ほとんど再任だが、赤松農水相だけが更迭される破目になった。口蹄疫が大騒ぎになった時、こともあろうにキューバでカストロ将軍との対面を望んで時間を空けていた。その時間中にゴルフをやっていたとの週刊誌の誤報に、生憎口蹄疫問題が頂点に達して、噂が増幅され監督官庁としての責任を問われることになってしまった。

 一方、今日の人事で中国特命全権大使に決まったのが、丹羽宇一郎・伊藤忠商事㈱相談役である。激職だった社長・会長職を退いても多くの職を務められ、アメリカ駐在も長く、海外での人脈が広い。

 しかし、新聞報道を見ると、政府内部にも、外務省内部にも、外交交渉に慣れていない丹羽氏の大国の大使職には疑問を呈する向きがあるようだ。何を馬鹿なことを言っているのだと言いたい。この外交交渉というのが、曲者なのだ。最近だって外交密約文書で外務省が国民を騙した1件が明らかになったばかりではないか。日本の外交官には、率直に言って本当の意味で国益のために粉骨砕身精一杯努める気配が感じられない。長年に亘り海外とのビジネスに携わり、虚虚実実の駆け引きの修羅場を踏んだ丹羽氏なら、遊びまわっている全権大使よりよほど国家・国民のことを考え、働いてくれると思う。民間人に重要職を奪われそうな外務官僚の妬みではないか。丹羽氏は、外務省が決めたルールの下で出来レースのような交渉ごとをやる以上のことをやってくれると思う。

 丹羽氏にはこれまでのプロの外交官がやれなかった以上のことをやってもらって、外務省と外務官僚の鼻を開かして欲しいものである。

2010年6月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com