明後日の参院選投票日を控え、各党党首の遊説における演説も相当ヒートアップしてきた。今朝の朝日新聞の予想では、意外にも民主党がかなり苦戦すると見られている。鳩山辞任・菅首相就任直後は、落ち目だった民主党の支持率が40%台から一気に60%まで復活して、首相交代により稚拙な普天間基地移設問題の対応による民主離反を食い止めていたように思っていた。非改選議員を含めて参議院の過半数は60議席以上であるが、それを凌駕する勢いだった。
ところが、菅首相の消費税値上げ発言以降、その発表手法を巡って叩かれっぱなしで首相の思惑とは裏腹に、全野党はもちろん連合を組んでいる国民新党でさえ菅政権攻撃を強めている。
民主は単独過半数のために60議席、国民新党と合わせた与党過半数のためには56議席が必要で、改選数の54議席が首相の責任追及のボーダーと見られていた。それが当選者数は49議席を境目に計算されるようになった。いずれにせよ限りなく40人台の可能性が強くなった。それに比べて、「みんなの党」の勢いがよい。自民党も久しぶりに元気を取り戻したようだ。自民党が勢いをつけてきた理由は、「1人区」で大敗した前回の徹を踏まない作戦が図星だったようである。
この流れの逆転現象を考えてみた。今日テレビ・ニュースで見てみると明らかに消費税作戦が失敗した。各党が菅首相の消費税発言を槍玉に挙げて攻撃している。以前に比べて新党が乱立気味のこの選挙では、公平に報道すると野党の出面が増える。その野党がそれぞれ民主党を攻撃する。同じ消費税値上げを打ち出した自民党も、自らは消費税値上げをしないような口ぶりで民主党の値上げを、マニフェスト違反だとか、自民の背に乗っていると批判している。これで画面から流れてくる声としては、民主の消費税値上げ批判一辺倒となる。
このムードを考えると、いくら良かれと思っても国民の懐具合に痛く響く発言は、よほどTPOを計算しないと自らに降りかかってくる。菅首相も深謀のうえ、自民党の10%消費税値上げに便乗して、争点をつぶしてしまう作戦のはずだったが、他党の動きを読めなかったのは悔いが残るだろう。
さあ日曜日の選挙結果はどう出るだろうか。