1153.2010年7月10日(土) 鎌倉市の事業仕分けを見学する。

 民主党政権になって「事業仕分け」が大きく脚光を浴び、評価されている。その「事業仕分け」を鎌倉市が行うとその生みの親である「構想日本」から案内をもらったので早速申し込み、今日鎌倉市役所へおっとり刀で駆けつけた。

 作業は市役所内の3つの会場に分けられ、それぞれコーディネーター1人、仕分け人3人、市民仕分け人2人からなるチーム編成の下に事業説明者として市役所各事業担当課長、及び職員が出席して対応された。熱心なオブザーバーが各会場に集まり、資料に書き込みをしながら真剣にやりとりを聴いていた。ある程度予想していたスタイルで、事業の継続、中止、改善等の結論を出すものだった。主導的な役割を務める構想日本のスタッフは経験豊富で慣れているので、ツボを外さず追求していたが、市側は必ずしも的確な応答が出来ず、多くのオブザーバー監視の下に事業の継続を断念せざるを得ない結論に追い込まれることもあった。

 事業仕分けの対象になった事業は全部で「30」あり、その中で学校教育、生活環境、健康福祉、地域安全が21事業もあり、一方で財政に関する仕分けは行われず、まさに財政問題を袖にするくらい豊かな市の財政事情を窺わせる。実際あるグループの仕分け人だった海東英和・前高島市長(滋賀県)が鎌倉市は高島市に比べ豊かという発言が何度か飛び出した。

 3つの会場をそれぞれ訪れ、「こども安全パトロール」「子ども会館の運営」「観光振興支援事業」「社団法人鎌倉市シルバー人材センター運営費補助金」の4つの仕分けを見学したが、押しなべて経費のムダ、事業のダブりについて質問が集中していた。4つ目の補助金の件では、説明者があまりにも不慣れで適切な説明が出来ず、補助金の打ち切りという結論になった。

 特に関心を抱いていた観光課の観光振興支援事業については、仕分け人から鎌倉が武家社会・武家文化のはしりであることの認識が乏しいと追求され、伝統的なイベントである流鏑馬や薪能は良いが、俳句大会やビーチフェスタ、花火大会のような鎌倉の個性がそれほど発揮されないものへの補助金に疑問が呈された。また、これだけ国を挙げて外国人旅行客へのアッピールをしている時に、国際観光都市である鎌倉市がインバウンド市場に対して何の積極的な企画も支援事業も見られなかったのは、少々意外で疑問を感じた。

 初めての見学だったが、真剣な仕分けは結構面白かった。各仕分けが30分という極めて限定された時間内に行われたのも、緊張感が維持継続された要因ではないか。

 この「事業仕分け」は、経費節約を図り、ムダを削り、市民の目を通しているので効果的であり、国の事業でも自治体でも今後益々注目されるのではないだろうかと感じた。

2010年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com