3357.2016年7月22日(金) ロシア、リオ・オリンピックに不参加決定か。

 開催まであと2週間に迫ったリオ・オリンピック・パラリンピックを前に、世界中を驚かす衝撃的な事実が明らかになった。かねてより懸念されていたが、ロシア陸上選手が国家がらみで組織的な薬物使用と隠蔽工作を行っていたと世界反ドーピング機関(WADA)が、国際陸連はロシア選手をオリンピックを含めた国際大会に出場させないよう通達していた。それに対して薬物使用をしていないと主張するロシア選手68名がオリンピック出場を求めてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えていた。だが、CASは昨日国際陸連の処分は妥当だとしてロシア選手の要求を却下し、出場を認めないと判断を下した。この判断を受けて明後日開かれるIOC理事会でロシア全選手の参加YES or NOの最終的な決定が下される。結論はどう出るか。恐らくNOの処分が撤回されることはないだろう。ロシアの陸上界は世界でもアメリカと金メダルを争う屈指の強豪であり、ロシアが欠ければオリンピックは飛車落ちになると考えられる。

 スポーツ現場に国家が直接関与してドーピング検査を誤魔化していたというあるまじき下劣な行為に対して、スポーツ界が厳然としてあるべき判断を示したのは当然と言えば当然である。ドーピングを行ったことは間違いない事実であり、ロシアはお上の沙汰を待つより仕方あるまい。ロシアにとっては信用失墜の極みであり自業自得であるが、プーチン大統領はスポーツに政治が介入したと見当違いのことを言っている。

 しかし、ロシアはソ連社会主義連邦時代からスポーツの繁栄こそが国民の士気を高めると考え、成績さえ良ければ由しとする国家体質があり、スポーツ選手の活躍に対して国家が厚遇を与えてきた。こういう経緯を辿ったスポーツ大国・ロシアでは、普通の常識やモラルは通じないようだ。

 今日も日本国内ではリオ・オリンピック参加の各競技選手団が出かけたり、結団式を行ったり、オリンピックへの熱気が感じられるが、その一方で今回のリオ・オリンピックは開催前から多くのトラブルを抱えて、これで果たして順調に開催から閉会までスケジュール通り行えるのか些か心許ない。

2016年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com