1159.2010年7月16日(金) 消費税を真剣に議論せよ!

 参院選における民主党の大敗を巡って、民主党内では責任論が持ち上がっている。執行部の責任を問う声も数多くあったが、枝野幹事長は菅首相と9月の代表選までは現体制を維持することを確認し合い、執行部がすぐに責任を取って役職を辞任するようなことはない。ところが、今日行われた参院選反省会では全国の県連会長から相当厳しい批判が出た。候補者選定の方法を巡って小沢前幹事長と鋭く対立していた静岡県連会長が、大敗と静岡選挙区の選出方法の責任を取り、小沢氏の離党勧告を行った。選挙の余波を巡ってまだまだ党内抗争があるようだ。

 これまで菅首相と民主党内の反省としては、消費税論議を首相が唐突に公表したことが大きな問題とされていた。事実そう主張した県連会長も多いようだ。それが、静岡県のケースは戦前から燻っていた定員2人の静岡選挙区に2人の候補者を立てた結果、ひとりは当選したが、当初の目標通り2人当選とは行かなかった。県連会長に言わせれば、これは強引に2人擁立を押し進めた前幹事長の犯した罪であるという。

 消費税については、今度の選挙の結果だけで消費税値上げ提案が敗戦の原因であると短絡的に公言するバカな国会議員が多い。それは手法上の問題であって、首相の公表前には消費税の値上げそれ自体には、財政上の問題からそろそろ国民に説明して真剣に議論を進めるべき時に来ているとの認識が高まっていた。それが今の状態では消費税問題に触れることすらタブーとしてしまった。

 そんな消費税問題がまたお蔵入りしそうな時に、国際通貨基金(IMF)が一昨日日本に対する今年度の年次審査報告書を発表した。外から言われてしまったのである。

 「消費税の控え目な引き上げを手始めに、財政再建を11年度から始めるべきだ」と提言されてしまったのである。現在の5%の消費税を11年度から10年程度かけて段階的に15%まで引き上げるよう具体的なロードマップまで提案されてしまった。ギリシャ財政危機がいくら深刻とは言え、1国の財政政策にここまで踏み込んで提案するようなことはまったく異例だと思う。日本のメンツも丸つぶれではないか。しかし、今の民主党の腰砕けとも言える及び腰では、いつになったら消費税問題をはっきりさせてくれるのだろう。

2010年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com