1160.2010年7月17日(土) 目玉の「国家戦略局」構想が頓挫

 数日前から各地を襲った豪雨により、多数の犠牲者が出た。7月にこれだけ局地的な降雨は珍しいと思う。岐阜県の可児市内を流れる可児川の洪水には、河川敷に駐車していた運送会社のトラックが十数台も流されるハップニングがあった。新築家屋が流されたり、お年寄り夫婦が押しつぶされた自宅の下敷きになって亡くなったり、自然現象とは言えあまりにも気の毒である。

 さて、昨年の民主党政権発足とともに大風呂敷を掲げ、政権の目玉となるはずだった「国家戦略局」構想がずるずると後退して、ついに局への格上げを断念して「国家戦略室」のまま、菅首相への単なる助言機関に留まることになった。

 「大山鳴動して鼠一匹出ず」の類である。司令塔役、総合調整役と見られ、各省が個別に提出する予算要求を全体的に調整する機能を持つと見られていた。国民からも大きな期待を寄せられていた。それは、各省の官僚にとっては耐え難いところだったであろう。この点でも政治主導的役割を果たすと期待されていた。だが、民主党政権はあっさりその考えを捨てた。

 これで民主党政権の目玉のひとつは雲散霧消した。抜け殻のような組織自体は残るが、設立の動機と理念は失われ形骸化しただけであり、まったく存在する意味を持たない。これで、今後政権が後退を繰り返すのでなければ良いがと思う。

 菅首相が首相就任以来、小沢一郎前幹事長と一度も会っていない不自然さの中に、民主党内部の複雑な人間関係と陰湿な権力構造を感じる。このままでは、昨年の政権交代の意味も成果もまったく期待出来なくなりそうだ。

 いつも裏切られるのは、政治家に給料を出し、仕事を与えているわれわれ国民だ。

2010年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com