1162.2010年7月19日(月) 元死刑囚に超法規的手続きが取られるか。

 1987年に起きた大韓航空機爆破事件犯人の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚が明日来日すると発表された。北朝鮮による拉致事件被害者家族、特に北朝鮮で接触があったという横田めぐみさんの両親に、めぐみさんの様子を直接伝えて励ますことが目的だそうである。以前から日本政府は韓国政府に対して事件解決策のひとつとして、日本人拉致の事情を知るキム・ヒョンヒを日本に招き、知っている真実を話す機会を与えてくれるよう要望していた。だが、実際には北朝鮮に配慮する韓国が日本の要望を受け入れることはなかった。

 しかし、ここへ来て微妙に状況が変わってきた。金大中大統領以降韓国と北朝鮮が太陽政策の下で表向き友好的な外交関係を樹立していたからである。ところが、現在の李明博大統領になって俄然対応が変わった。そこへ、先般勃発した北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件で、韓国は北朝鮮に対して攻勢に出た。しかしながら、韓国国民の北に対する憤懣やる方ない気持ちは、国連安保理でも積極的に取り入れられなかった。韓国にとってはやり場のない気持ちを、北朝鮮が嫌がることで鬱憤を晴らそうと考えたのではないか(これは私見)。それが、今回のキム・ヒョンヒ来日許可である。これで日本国内に北朝鮮の悪辣なやり口を暴露することによって北への憎悪の気持ちが燃え上がれば、願ったり叶ったりである。韓国と日本の思惑は果たしてどんな結果を生むだろうか。

 日本サイドは割合冷静に受け止めているが、このキム・ヒョンヒと拉致家族が会うことを歓迎する空気は少なくないように思う。

 しかし、昨日元入国管理局OBが、懲役1年以上の実刑判決を受けた外国人受刑囚に対して入国ビザを与えないのが出入国管理法であると語って、キム・ヒョンヒの来日について疑問符をつけた。法制度上はこのOBに一理ある。ダッカ事件に次いで超法規的手続きを取ることになるのだろうか。結果は明日判明する。

2010年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com