1163.2010年7月20日(火) 金賢姫・元死刑囚が来日

 今朝4時元北朝鮮工作員の金賢姫・元死刑囚を乗せた日本政府特別機が羽田空港に到着した。そのまま異例の厳重警戒の中を早朝の都内を駆け抜けて軽井沢へ向かい、驚いたことに鳩山前首相の別荘へ入った。

 電光石火の早業で金賢姫が来日したことの背景には、昨日何となく感じた韓国の北朝鮮に対するイラついた気持ちのしっぺ返しがあるのではないかと推察していた。

 ところが、今朝のテレビの報道番組を観ていると「コリア・レポート」の辺真一氏が、韓国政府は卑劣極まりない北朝鮮の拉致事件で北を非難し、さらに金賢姫を使って大韓航空機爆破事件を引き起こした北の責任を糾弾することによって、韓国哨戒艦沈没事件に対する北の責任を国際社会にアッピールして北を追い詰めようとの思惑があると話していた。他方で韓国国民の気持ちとしては、金賢姫が日本へ行くことについて釈然としない気持ちを抱いているのではないかという。金賢姫は大韓航空機事件115名の犠牲者の遺族に対してまだ一度も面会も謝罪もしていないので、訪日について韓国国民は必ずしも納得していないのではないかとも言っていた。

 加えて日本国内にも出入国管理法に反するとの声とともに、大韓航空機爆破事件の際日本人の偽造旅券を使用した公文書偽造の疑いもあるとの指摘もある。中々問題は複雑である。

 4日間の滞在中に拉致事件家族会の方々に会って、少しでも彼らの気持ちを慰め、被害者の生存への期待を持たせようとの意図が、少しでも叶えられれば結構である。

 辺氏は事件解決のためには、日本と北朝鮮政府代表者が話し合いのテーブルについて、解決へ向けた具体的で実効性のある話し合いを行うことが先決であり、併せて日朝政府のトップ同士が会見することが重要であると語っていた。

 北の頑固で悪質な姿勢はそう簡単に変わるとも思えない。北にはどこの国も手を焼いている。北朝鮮から一番頼りにされている中国は、北にばかり配慮しないで迷惑を蒙っている国々のことを考え、もう少し大人の対応が出来ないものだろうかと聞きたい。さもなければ金正日総書記の早い他界を希うより方法はないのではないか。

 今日の朝日夕刊一面の「人脈記―毒に愛嬌あり」を呼んでゾッとした。1969年新年参賀の際、昭和天皇に向けてパチンコ玉を打った奥崎謙三が、その後彼を主人公としたドキュメンタリー映画を撮られていた時に、奥崎が「中隊長を殺そうと思う」と言い監督は震え上がったという。翌年12月に実際に中隊長の自宅を訪れ応対に出た長男を改造拳銃で発砲し逮捕された。

 昭和天皇に戦争責任ありと思い込み、従軍したニューギニア戦線で無謀な処刑を命じた中隊長に対してもその責任を問い詰めるべく、追い回していたらしい。

 似たような話はビルマ慰霊団や、中部太平洋戦没者遺骨収集事業の際にも聞いた。戦火の中で味方の上官を狙って弾を撃ったという元兵士からも話を聞いた。戦地で苦労された私の知っている方々はほとんど亡くなられたが、今でも時折戦争の話を聞くとやるせない気持ちに捉われる。

2010年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com