3179.2016年1月26日(火) 大雪の中を両陛下フィリピン巡礼の旅へ

 東京は3日連続で氷点下を記録した。空は底抜けに青く風もない。だが、その寒さは格別で、全国各地で雪に依る障害が起きている。特に雪の多い地方では、道路が渋滞しているし、山陰地方や北九州地方では水道管が各地で破裂して断水状態になっているところがかなりある。ラグビーのメッカ・菅平では今日-26.7℃を記録したというからただ事ではない。幸い明日以降は寒さも少し緩むそうだから、しばらく我慢するより仕方があるまい。

 さて、そんな厳しい寒さの中を天皇・皇后両陛下は先の大戦の戦没者慰霊のために、今日フィリピンへ向かわれた。昨年のパラオ巡拝に続いて2度目のフィリピン巡拝である。両陛下は皇太子・同妃殿下時代にフィリピンを訪れておられるが、当時は反日感情が極めて悪い時代だった。その中で皇太子・同妃殿下の笑顔が、多くのフィリピンの人々の気持ちを随分和らげたと言われている。その後日本の戦時賠償もあったが、日比両国間の感情は次第に良くなっていった。

 私もかつてフィリピンへ3度ばかり訪れたことがあり、フィリピンとフィリピン人のことはよく覚えている。こんなこともあった。今から40年ほど前のことだが、マニラ市内の二流ホテルの部屋にドロボーに入られたことがある。部屋へ戻った後、疲れて休んでいると幻のような陰が目の前をすっと通り過ぎて消えた。おかしいなと思って持ち物を調べたらカメラが失くなっていた。夢のような呆気にとられた事件だった。ホテルもホテルで、その言い分に呆れた。そんなことは起こり得ない。自分で失くしたのではないかとまったく取り付く島もなかった。思えばこれも腹立たしいフィリピンの忘れ難いメモリーである。

 旧厚生省からの依頼もあったので、フィリピンを訪れる度に主に激戦の島々を巡った。ルソン、レイテ、ミンダナオ、セブ、コレヒドール島などを巡ったが、物を盗られたこと以外は、楽しい思い出しか残っていない。

 中国東北部を除けば、51万人と最も戦没者が多いフィリピンであるが、現在フィリピンの戦没者の遺骨収集事業は行われていない。「空援隊」とか称するNPO団体の民間遺骨収集団が日本人ではない遺骨を日本に持ち帰ったことが問題となり、現在その事業はストップしている。厚労省もやや甘かったと思うが、戦没者やご遺族の気持ちが分からない人たちが、この事業に関わったことが道を外した最大のミステークだったと思っている。両陛下には本当にご苦労さまだと思う。心ゆくまで慰霊の気持ちを捧げて、無事帰国されるよう願っている。

2016年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com