1165.2010年7月22日(木) 金賢姫への厚遇に疑問の声

 金賢姫・元北朝鮮工作員が、拉致事件被害者家族と鳩山前首相の私邸である軽井沢の別荘でこっそり会っているのも話としては奇妙である。個人の住宅を舞台に国境を越えた国家的犯罪の関係者たちが秘かに会って、話し合いをするという点にミステリアスなシナリオと薄気味悪さを感じる。案の定今日発売の「週刊新潮」に場所を提供した鳩山前首相について、これによって次回衆議院選挙に立候補しないと言った前言を翻しても、国民に分ってもらえるだろうとの前首相の軽薄な思惑があると取り上げられているようだ。衆院選と別荘提供がどう結びつくのか分らないが、拉致事件関係者の面会は高級別荘らしい雰囲気の中で、関係者以外は近づけない厳戒体制の中で行われた。そして今日金賢姫は軽井沢から調布まで車でやって来てヘリコプターに乗り換え、江東区のヘリポートへ飛び都内のホテルで拉致家族に会った。

 驚いたのは調布から江東区までのヘリ飛行中に相模湾上空から横浜上空を回ったらしい。今日は天気も良かったので、富士山を見てもらうとびっきりのサービスをしたのではないだろうか。

 金賢姫に対するあまりの手厚い接待と厚遇に、一部批判の声が上がっている。谷垣自民党総裁もテロリストを国がらみで歓迎しているように受け取られるのは問題であると批判的である。

 結局金賢姫から新しい実利的な情報を得ることは出来なかった。家族会としては彼女から「被害者は必ず生きています」との激励に力づけられたと言っているが、状況が進展する様子は見えない。気の毒なのは犠牲になっている拉致被害者と家族である。

 さて、今日の日経夕刊に東洋英和女学院大学・村上陽一郎学長が昨今流行気味の言葉の無意味な省略について批判的なエッセイを書いている。私もまったく同感である。そもそもテレビの雑な話し言葉から徐々に乱れてきたと考えている。特に呆れたのは、言葉について責任ある立場のNHKが気安く下賎な省略語を使い出したことである。

 例えば、民間テレビが地上デジタル放送のことを「地デジ」と言い出したが、それを真似てNHKも「地デジ」と言い出したことである。どうしてこんな乱れた略語を使用するのかと思っていたが、村上学長もそう感じたようだ。もうひとつ同意見なのは、「目線」という言葉である。以前からどうして「視線」ではダメなのかと不思議に思っていた。村上学長もそう書いていて、次のように分析している。「何となく、きちんと言えば、素人で、省略すると、業界に近い、玄人っぽい、その方面に通暁している、というような思いがあるのでは。如何にもそれはさもしい根性ではなかろうか」。まったくその通りである。その意味ではさもしいチャンピォンはNHKだろうか。

2010年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com