1172.2010年7月29日(木) 分かりにくい年金申請書類

 数年前年金問題が大きな社会問題となり、社会保険庁の杜撰な事務処理と台帳の改ざんがその原因であると指摘され、世の非難を浴びたのはまだ記憶に新しい。その当時年金問題を国会で徹底的に追及したのが、現在の厚生労働大臣・長妻昭氏だった。今度は立場が変わり厚労相就任直後に、行方が分らない年金受給資格者を徹底的に探す努力をすると国民に約束した。社会保険庁の過去の不真面目な業務の有様が次々と明るみに出て不信感が極度に達し、ついに昨年社会保険庁は解体され、新たに日本年金機構として再出発した。だが、まだまだだなぁと感じた。

 今月10日に妻が65歳となり、年金受給者の資格を得た。間もなく申請書類が送付されてきた。申請者である妻が書き込み方が分らないというので、7年前に同じ手続きを行った経験から申請書類をチェックしたが、確かに分かりにくい。今日を含めて日本年金機構「ねんきんダイヤル」へ電話した回数が実に3度である。親切に教えてはくれるが、やはり分かりにくい。

 なぜこれほど分かりにくいのか考えてみた。申請書類とともに多くの添付書類を提出するのだが、その説明が複雑で多すぎて、その結果説明が充分行き届かず分らなくなることである。例えば、要求される提出資料が多すぎるうえに、その提出資料がすべて説明書に明記されているわけではないのだ。

 妻のケースだと、住民票、戸籍謄本、振込銀行の残高証明書、課税証明書、年金手帳のコピー等々と提出書類が多い。しかも、まとめてこれらの書類を教えてくれるなら良いが、そうではなく必要だと説明書にも書かれていない。後になってその書類は必要だと要求されると、再びその書類を受け取りに行かなければならない。

 今日は、「ねんきんダイヤル」に電話で確認して申請者の課税証明書が必要だとの説明を受けた。銀行の貸金庫に保管してある申請者の夫、つまり私の年金証明書から年金コードを書類に書き写すことになった(先日貸金庫にある年金手帳の年金番号を書き込んだばかりである)。その後区役所支所で課税証明書を受領して、帰宅したら「ねんきんダイヤル」から電話があり、私への説明が気になったのでと言いながら、改めて妻の年金手帳のコピーが必要と言うのである。こうなるとまた貸金庫へ行かなければならない。

 果たして7年前はどうだったか。はっきり思い出せないが、これほど複雑なことはなかったのではないかと思う。これでは大抵の人は申請書を書くのが億劫になってしまうのではないかと心配である。

 どうして、これほど年金申請手続きが複雑怪奇になってしまったのだろうか。確認する項目や内容が多いのは理解出来る。こんな状態だから、未だに5千万件も不明になっていると聞いても、やっぱりそうかとつい納得してしまう。新しい年金機構では現実に即したシステムを導入した筈であるが、これでは前途遼遠だ。やれやれである。

2010年7月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com