1178.2010年8月4日(火) ロシアの「第2次世界大戦終結の日」とは何だ?

 先月ロシアは日本が降伏文書に署名した9月2日を一方的に「第2次世界大戦終結の日」という記念日に決めた。ロシア国内の国事行為とは言え、ロシアが北方領土の実効支配を正当化することを恐れた日本政府は、ロシア政府に見合わせるよう伝えていたが、結局覇権国家・ロシアが独断的な考えを引っ込めるはずもなく、ロシアにとって特別の記念日となった。

 夜にNHK「クローズアップ現代」では北方問題を取り上げ、「北方問題の真相」と題してロシアの終戦直後の北方4島への侵略・占領を伝えていた。ロシアの図々しさには、今更ながら驚き呆れるばかりである。

 現在沖縄の米軍基地ばかりが騒がれているが、戦後旧ソ連とロシアが行った山賊行為、日本兵のシベリア抑留と北方4島の実効支配は、考え方によってはもっと強引であくどい。冒頭の記念日は、その日にちを9月2日に決めることによって、ロシアの4島支配を戦利品として認めさせようとの意図がありありである。日本がポツダム宣言を受け入れ降伏宣言をしたのは、8月15日であることは国際的にも承認されている。そもそもそのポツダム会談にはソ連から軍服を着たスターリンが偉そうに出席して、その一部始終を承知していたのではなかったか。ポツダム会談の目的は第2次大戦の戦後処理と日本を早く降伏させることであり、ソ連の強引な漁夫の利を容認するものではなかった筈である。しかもポツダム会談が終ったのは8月2日だった。スターリンが8月15日の日本の降伏宣言を知らないわけがない。手続き上書名は9月2日になったが、それを日本の降伏日とこじつけるにはいかにも無理がある。

 ロシアには、シベリア抑留について抑留中に生命を落とした日本兵と日本国民に謝罪する責任だってあるのではないだろうか。戦後60万人近い日本兵を厳しい条件下に抑留し、ほぼ1割の兵士を死に至らしめた。そのうえに北方領土の永久占領とは、盗人猛々しいにもほどがある。この件については、旧ソ連と現ロシア政府ともにまったく知らん顔である。

 日本政府もロシア政府に対して筋道を立てて論理的に日本の立場を強く主張するべきではないだろうか。勝者と敗者であってもこんな理不尽なパフォーマンスをされては、堪ったものではない。うかうかしているとロシアには、北方4島の次に、利尻・礼文島まで奪われるような悪夢を見させられそうだ。

2010年8月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com