1183.2010年8月9日(月) アメリカが長崎「原爆の日」式典に出席しない理由

 今日は長崎の「原爆の日」である。アメリカ政府代表者は予想されていた通り「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」には出席しなかった。今年初めて広島の式典に出席したイギリスとフランスは、代表者が出席した。

 アメリカが代表者を出席させない理由として、ルース大使のスケジュールが合わなかったと言っているが、広島と長崎の式典の日時は早くから分っていたことであり、スケジュール云々はこじつけに過ぎない。

 アメリカはオバマ大統領がいかに核廃絶へ向けて熱意を示そうとしても、アメリカ国民の気持ちの中には、「原爆投下は終戦を早めた」との思い上がった気持ちがあり、大量虐殺と言って間違いない原爆投下を素直に自分たちの罪、過ちと認めようとしない。終戦を早め、その結果として戦争による犠牲者の数を減らしたとの思い込みは、あくまで彼らの論理であって、犠牲者サイドから言えば、あまりにも身勝手で暴論である。犠牲者に対する贖罪の気持ちがまったく感じられない。いくら戦争とは言え、他国の一般人を大量に殺戮しておいて、自分たちを擁護する自己主張には、人間としての思いやりとか憐れみの気持ちがまったく感じられない。

 これでは、この先オバマ大統領が仮に広島や長崎で原爆犠牲者に哀悼の意を表したところで、単なるみせかけでしかない。

 終戦直前は日本にはもはや余力が残されておらず、降伏直前だった。それを広島はおろか、長崎にまで原爆実験で徹底的に痛めつけておいて、何が終戦を早めたであろうか。アメリカ国民がまだこんな残虐な考えに凝り固まっているとしたら、アメリカ人の本性は獣である。日本を訪れるアメリカ人はすべからく広島と長崎を訪れ、犠牲者と遺族に贖罪の気持ちを表して然るべきである。

 さて、JN協会の企画会議の前に急遽「そこが知りたい 観光・都市・環境」編集会議を開いた。名古屋から須田寛氏も出席されたが、イタリアから一時帰国中の大島悦子さんは出席出来なかった。出版社編集者を交え7名で打ち合わせをした。全員すでにノルマである原稿を書き上げたので、一応形を作り上げてから推敲をしようということになった。須田さんからは個人的に貴重なアドバイスをいただいた。これから何度か打ち合わせを重ねて、今の予定では出版にこぎつけるのは11月中旬とのことである。段々楽しみが増してきた。

2010年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com