1186.2010年8月12日(木) 日航ジャンボ機墜落25周年忌

 今朝の朝日新聞を開いてみたが、アメリカの小型バス横転事故については小さな記事で死亡者の名前と負傷者の状況を説明しているだけだった。昨日電話をかけてこられた朝日新聞社の村山さんが意図する事故の原因を追究するような記事は残念ながら見られなかった。従って私が話した事故遠因にはまったく触れられていなかった。

 しかし、テレビのニュースなどを観ていると、ドライバーの居眠り運転説が濃厚である。私も居眠り説と同じ立場に立つが、居眠りに至った経緯や原因が究明されていない。一部のテレビ・ニュースでは安売り海外旅行云々と報じている。このツアーの販売価格がいくらで、ホテルがどのクラスか、食事条件、等々が分らないので軽々しく断定できないが、日本旅行、近ツー、HISの3社が共同企画会社となり、バス運行会社は孫請け会社だったことから判断すれば、安売り旅行であると思って間違いないのではないか。コースも4日間でラスベガス、ザイオン国立公園、ブライス・キャニオン、グランド・キャニオンを巡って470㎞余を走行し、その間観光スポットではガイド兼ドライバーがそれぞれ案内し説明するというのは、率直に言ってガイドにとって少しタフ過ぎるのではないかと思う。それがドライバーの疲労、居眠り、事故となったのではないか。

 11月に出版される予定の共著の中でも、安売りツアーについて批判的な内容を書いたが、どうも旅行の本質をあまり知らない経営者がコストの削減にばかり気持ちが行って、旅行の楽しさとか面白さのような旅本来の味を旅行客に楽しんでもらおうとの気持ちが欠けているように思えてならない。旅行商品は他の物販品とは基本的に違うということを認識しないと、再びこのような事故発生につながる。

 さて、今日は御巣鷹山中に日航ジャンボ機が墜落して4半世紀に当たる。あの時は、10月に向ヶ丘遊園で開催された「世界蘭会議」の準備に忙殺されていた。資生堂の福原義春専務(現名誉会長)らと会議中に日航機が行方不明になったと聞き、えらいことになったなぁと思った。その日の夜のニュースで墜落現場が分り、後になって生存者もいたことが分ったが、その時点では歌手の坂本九を含めて、かなりの死者が出ると放送された。結局520名の尊い命が失われた。

 日航は今年1月に会社再生法を適用され、今は再建中である。保有のジャンボ機もすべて売却されるという。かつては華やかな存在だったジャンボ機が段々姿を消しつつあるのは、寂しいような気もする。ジャンボ機B-747が活躍し始めたころ、次の機種としてB-767が開発、製造されつつあった。1983年9月アメリカ・ワシントン州エバレットで文部省海外教員視察団添乗員として、同地の教育施設を見学した。学校訪問後に同地の教育委員会に勧められて、全員でボーイング・エバレット工場を見学させてもらい、格納庫で出番を待っていたB-767型機について説明を受けたことが懐かしく思い出される。

 航空業界の競争も、格安航空会社の参入などがあり益々厳しくなっている。日航もとても安定したとはいえず、当分厳しい経営状態が続くだろうが、何とか持ち直して欲しいものである。

2010年8月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com